本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

顧客とのパートナーシップを強化する方法

コンピュータ,ネットワーク化の急速な普及・進展は,社会やビジネスの在り方を大きく変えようとしている。
印刷業界も例外ではなく,これに伴い顧客との関係においても,従来とは違う視点からのアプローチが必要になりつつある。
今月は,「顧客リレーション強化策プロジェクト」の公開フォーラムをもとに,これからの顧客との関係の再構築法を提案する。最後には,提案に基づいたチェックリストの抜粋を掲載したので合わせて参考にしてほしい。(プリンターズサークル10月号 特集記事より)


営業力のカギは営業の外側にある

「組織営業」とは何か
 顧客にとってオンリーワンの存在になることとは,印刷機能を提供する他業種まで含めた多くの企業のなかで,その顧客にとってのベストワンになることを指す。
真の顧客との関係の強さは,本来そのようなところから生まれる。しかし,現実には似た者同士が,顧客に対して同じようなセールストークを展開しながら,かなり情緒的な要素で顧客の選択を呼び込んでいるのが正直なところだろう。
その意味では,印刷営業とは実に難しい仕事だ。しかしながら,営業以外に企業としての顧客接点をほかにもたない不安定な現状については,もっと組織的な対応へと高度化を図っていくべきではないだろうか。
組織営業とは,専門家を同行して商談することばかりではなく,ベストワンとして顧客と関わっていこうとする企業の活動すべてを指すものである。

 デジタル化・ネットワーク化は,今は顧客囲い込みの機会を提供しているかもしれない。
しかし,おそらくその先には,顧客側が何の束縛もなく,クリック1つで発注先を決めてしまう時代が来るだろう。なぜなら,……。


T.顧客情報を起点とする仕組みの設計

ジェイティプロスプリント(株) 豊嶋 隆

有効な顧客情報を得るための情報発信
 情報収集する前段として,自社がどのような会社なのかを,先方に知ってもらうことが必要である。
的確な情報がほしければなおさらだ。顧客は,素性も意図もわからない相手に情報など提供しない。

 情報発信する際のポイントは,自社への理解促進なのか,あるいは自社の強みをアピールしていくことなのか,その目的を明確にしておくことだ。
また,ターゲットや伝える内容を明らかにしておくことで,具体的にどのようなメディアを使うのか,どのレベルでPRしていくのかがはっきりしてくるだろう。

 当然,社内外からの有効な情報の収集と整理が必要となる。例えば,受け手側がどのような情報を必要としているのか把握できなければ,顧客に何を伝えれば良いのか判断できない。それを裏付けるために,業界動向や技術動向が収集できていることが必要である。つまり,入手のルートがシステマチックにできているのかが問われる。

U.情報の活用とアクションへの展開

(社)日本印刷技術協会 上野憲一郎

顧客マネジャー機能の提案
  得た顧客情報をどのように分析し,いかに生かすかについて,まず「顧客マネジャー」機能の設置を提案したい。
顧客マネジャーは,市場全体を見渡して傾向をつかみ,仮説を立てたり,戦略的なジャッジメントを行う。
また,個々の顧客に向けた提案の切り口を見極めたり,あるいはそのアプローチ方法を指示する役目も担う,いわばマーケットの司令塔である。

 そのような人を割く余裕がないとの声をよく聞くが,専任,兼任に関わらず,情報が一個所に集まって,いつも誰かの頭のなかで考えられている状態が大切だ。
各営業担当者がバラバラに情報をもっていてもみえてこないものが,顧客マネジャーのもとに情報を集めることによって,みえてくる。
その機能を負うのは,大所帯の企業では専任スタッフということもあろうが,基本的には営業担当役員,あるいは営業部長クラスで担当するのが適当ではないかと考えている。

顧客情報の活用――顧客課題の仮説化
 顧客情報の活用の点で最も重要なのは,顧客の困っていることやニーズを分析して,仮説化することである。
最も基本的なところでは,QCD(品質・価格・納期)に関する必要条件や優先事項をつかむことである。つまり,顧客が何を重視して,どうしても外せないものは何かである。
その次には,どのようなソリューションのニーズがあるかについて,集めた顧客情報や,顧客の同業他社との比較,顧客業界のトレンドなどから,仮説を立てる。
 次に,顧客内における自社の……

(詳しい内容はプリンターズサークル10月号の記事をご覧ください)

月刊プリンターズサークルと最新号のご案内へ

購読お申し込みはこちら

1999/09/28 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会