本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

チラシは携帯電話で−紙のチラシはブランド定着用途に

「e-chirashi(イーチラシ)」と銘打ったCRM(Customer Relationship Management)システムと連動したeメールを送る携帯電話サービスが登場した。顧客から事前にアンケートなどで得た購買傾向や趣味・嗜好に基づき、利用者が望む情報だけを配信する新サービスで、すでに地域型中規模スーパーや、小売店、大手ビデオレンタルショップなどで採用している。

イーチラシ・サービスを開発・提供するのはグローバルエリアネットワーク株式会社(代表取締役社長・奥山泰久/本社・東京都港区)で、マーケティング業務のコンサルティング、コンピューターシステムの分析と設計業務のコンサルティング、コンピューターソフトウェアの開発販売などを手がけている。

イーチラシのサービス展開は、人口30万人の商圏を1エリア(東京圏では10〜20万人)として、各エリアごとに大手小売店や携帯電話販売店などをエリア代理店として置き、同社はイーチラシ・データベースの構築などのシステム運用、メールやホームページなどのコンテンツ制作、メール配信など、加盟店のサポートを行なうといったもの。

NTT-DoCoMoと提携し、熟年層など、携帯電話を利用していない世代に無料で電話を配布、新たに電話サービスに加入させると同時に、イーチラシのメール配信では、登録ユーザー全員に「○○○○@v-email.○」といった形式の専用メールアドレスを発行する。また、迷惑メールなどを排除するジャンクメール・バリア機能などの付加価値を付けることにより、小売店等の顧客囲い込みに成功した。

顧客情報の分析では、独自に開発した「データマイニングシステム」により、情報を300以上のカテゴリーに自動的に分類。いかにメールを読ませるか、そして店舗まで足を運ばせるかといった点に最大の重点を置いている。

同社の顧客である全国6業種11店舗を検証したところ、紙チラシを利用していた前年に比較し、経費では32.8%削減、売上高は対前年比112.5%、集客率は10倍に達しているという。

奥村氏は、「紙チラシは無くしてはならない。なぜならブランドイメージ定着としての価値はあるから。しかし、集客率・コストでは、イーチラシのほうが断然有利」と断言する。サービスの利用料金は、初期設定費用5万円、配布先500アドレスまでが毎月1万9500円、1000アドレスまでが毎月3万円という導入しやすい価格設定となっている。

紙媒体としてチラシの今後の在り方、電子メディアとしてのチラシの可能性、あるいはそれらの共存を模索する新サービスとして注目される。

◆グローバルエリアネットワーク株式会社:http://www.e-chirashi.co.jp/

2001/07/26 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会