本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

印刷ECは誰のためにある

アメリカのECサイトは特に2001年に入ってから株式の極端な低下や投資の縮小という逆風で非常に困難な局面にある。印刷のECサイトは印刷受発注の仲介という役割があり、それは意味があるにしても手数料が従来の人間の営業マンの費用よりも高いような例もあり、そのまま定着するのは難しいと懸念されていたところもある。

印刷側よりもECの仲介の方が儲かるとなると、受発注双方にとってバカバカしいシステムであり、世の中がオンラインのビジネスモデルで直結して中間プロセスの省略をしているのとは全く逆を行くことになる。印刷の利益率はクレジットカードの手数料にもいかないようなものだから、ECの仲介料はそれよりもずっと低くて当たり前と人は思うだろう。

もしECサイトがそこそこの費用をとるならば、例えば取引の「保険」的な位置付けで、代金回収やクレーム/値引きなどの問題にうまくECサイトが対処してくれるような付加価値があるのならともかく、仲介で儲けようというだけではECサイトの味方になるところはないであろう。

とはいえマクロには印刷の取引のオンライン化は進む。そこになぜ仲介業者の出番があるのかを考えると、印刷会社も印刷物の発注者もさまざまなレベルの会社があり、それらが直接取引きをしようとしても足並みが揃わず、効率が期待できないからである。印刷会社の側はそれぞれの見積の方法があり、また社内のシステム化の進み具合で要求に対する応答の速度も異なる。これは発注者からみると複数の印刷会社に分けて発注する場合に問題になる。

そこで両者の間に立って業務の標準を示すところが必要になる。究極的にはそれは人工知能のようなロボットのような機械化されたもので無料というのが望ましいが、そこに向けた過渡的な段階では両者の調整のリーダーシップをとるところが必要になる。印刷会社にすれば、顧客との1:1のオンラインシステムに投資する代わりに、外部のECのサービスに若干のお金を払ってでも顧客とのインタフェースの問題から解放されて、その間に社内のデータ管理の基盤を作ることになろう。

通信&メディア研究会 VEHCLE146号より

関連情報:前進あるのみ。印刷のEC

9月20日(木) JAGAT 通信&メディア研究会主催 tech Seminar
印刷の電子調達,SCM,EC

2001/09/18 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会