もともとは事務機販売をしている関連会社の(株)アルファジャパンでドキュメントに関する機器の販売を手掛けていたことが背景にある。機器販売だけでなくWebシステム企画,システムソリューション企画,ドキュメントサービス運営などにも事業拡大している。現在アルファジャパンでは,東銀座と水道橋にビジネスコンビニをオープンさせている。その名も「ビスケット」という店舗は,名刺,はがきなどの印刷から大判出力,ラミネート加工,簡易製本,会社のパンフレット類までアウトソーシングの情報コンビニエンスとして営業している。法人契約をしていればデリバリのサービスもあるという。
またビスケット(株)としては,これからはハードよりコンテンツが重要になると考えた。コンテンツおよびそれに付随するソフトの開発に力を入れていくことと,その際のツールおよびビジネスモデルの提案ができるようになればいいと思っていた。だから必ずしもXMLが前提ではなかったが,具体的に検証した結果,データの管理加工,Webコンテンツの作成に有効なものがXMLだったわけである。
Webサイトのメリットは,Webマスターがいつでも情報の追加や変更ができることであろう。新製品の発売,推奨品や特売商品,価格変動,季節商品,各仕様の変更などに伴い,常に最新の情報を提供することができるのがWebサイトの優位性である。
もちろんそれには,Webサイトを閲覧するユーザが目的の情報を迅速に探し出せることが必須要件であり,検索の方法は重要な問題である。だが実際には,検索機能付きの商品紹介コーナーを制作したり,更新しながら運営していくとなるとCGIプログラミングの専門知識が要求される。
同社では開発に当たり,商用サイトのWebマスターに直接会って,現場の状況を把握したという。その結果やはり問題点は,検索機能を付けたいが,プログラムが必要で難しいことだったり,知識習得の時間的余裕がないことが大半を占めている。他業務との兼務になり時間を費やせない,などの問題がおきる。また外注に出すといっても予算を捻出できないという現実的な問題もある。
「Page Striker」では,それらの諸問題を解決すべく開発された。各機能および特徴は以下のとおりである。
(1)目次ページの自動生成
(2)検索機能の自動追加:プログラミングが必要な検索機能が,商品の仕様を入力するだけで,自動的に追加される。検索方法は,「分類検索」「フリーキーワード検索(全文一致検索)」「絞込み検索」「価格検索」の4種類である。
(3)問合せ機能の自動生成
(4)デザインの自由設定
(5)Excelとのデータ互換:データをCSV形式に書き出すことができる。またExcel2000で入力されたデータは,再度読み込むことができる。
(6)リスト印刷
(7)iモード対応ページへの変換
(8)タグ名の自由変更:商品データを入力すると,規定のタグセットによるXMLファイルが生成される。タグ付けすることで,「商品名」を検索キーにして,特定商品を検索するなどの処理が可能になる。規定のタグを使うこともできるし,タグの名前を変更することもできる。
(9)XMLデータベースの蓄積:蓄積された商品情報のXMLファイルは,再利用可能なデータベースとして,別の目的に使用可能である。
「PageStriker」は,ネットからダウンロードして購入することができる。今後はデザイン性にも重点をおき,デザインパターンを増やしていくことも検討している。ユーザインタフェイスに視点をおき,本当に必要な機能を徹底的に絞り込んでいくことに力を注いでいるという。
また各業界の団体へのソリューション展開も視野に入れているという。ある団体でその業界のポータルサイトを立ち上げ,ネットワークで繋がった各会員の基本データを自身でPC上から登録できるようにすれば,XMLファイルに展開してサーバ上に蓄積される。日々更新がかけられ,情報公開によりコミュニケーションが図れる。
社名のビスケットとは「ビジネスの助っ人」からきている。大手企業なら自社で解決できることでも中小企業だと自社で運営していくのが難しい。そんな中小企業の「助っ人」として支援していきたいという。(上野寿)
ビスケット(株) http://www.bisket.com/
■出典:JAGATinfo 2001年11月号
2001/11/25 00:00:00