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ポータルサイト「goo」が考えるWebサイト構築

1997年3月,goo(http://www.goo.ne.jp)のサービス開始時は,ロボット型の検索サービスだけであった。1998年5月から,ホットチャネルというコンテンツの情報発信と,フリーメールという無料のWebメールなどメニューを増強し,ビジネスの可能性を探り始めた。その後もサービスを追加し,1999年5月にはリニューアルを行った。現在は,900万ページビュー/日,フリーメールの利用者は約55万人というサービスに成長した。

多岐にわたるサービス

(1)検索機能
 gooは,国内最大規模の検索データベースを有している。1999年秋には検索エンジンの大幅バージョンアップと検索対象の拡大を予定している。
 また,今まで培ってきた検索技術を,他社のコンテンツに適用し,タイアップ形式でサービスを立ち上げることも計画している。第1弾が,日本経済新聞社とタイアップした日経gooである。日本経済新聞社の新聞記事や日経テレコン21で提供している企業情報や財務情報,日経BP社を中心とした雑誌記事,さらに他の新聞の情報も検索できる(一部予定を含む)。
 さらに,gooの検索エンジンを自社のサイトに限定して適用したいというニーズに応えるため,機能的にはgooの検索エンジンと同等なソフトをイントラネット用に提供する製品を開発し,1999年7月から「プライベートgoo」として販売を開始した。UNIX版とNT版がある。

(2)ホットチャネル
 ジャンルごとに,多岐にわたるコンテンツを提供している。現在,10ジャンルを設けているが,今後さらに数チャネル増やす予定である。
 ホットチャネルは,gooがオリジナルでコンテンツを制作するのではなく,コンテンツをもつ企業とのタイアップでサービスを提供している。また,gooと大型サイトとの提携も進めている。第1弾として,5月12日のリニューアルでISIZEと提携し,車,住宅情報のチャネルを増やした。

(3)gooリサーチ
 1999年4月からgooリサーチという調査業務のサービスを提供している。大きく分けて,2つのパターンがある。
 誰でも答えられるオープン型のアンケートで,goo上でアンケートに答えるものである。テーマはさまざまであるが,やはりインターネットに関するマルチメディアや通信関連のテーマが多い。調査期間は2週間がめどで,通常約2000〜3000件の回答がある。非常に関心が強いテーマの場合はその数も増え,2週間で8000件のアクセスが集まったこともある。一般の市場調査よりは回答者属性に多少偏りがあることは否めないが,ニッチなマーケットに対しては,インターネットのほうが非常に効率的にデータを取れることが多い。
 第2は,goo上での受託調査である。インターネットでの調査は,通常の調査では調べられない条件で行う使命をもつため,回答するモニターにはあらかじめかなり多くの属性を登録してもらう。対象を限定したアンケートを行えるので,通常のアンケートでは取れないような条件でもデータを集めることができる。回答率は,少なくとも20%,多ければ40%程度である。

(4)コミュニティへのアプローチ
 今後の課題として,コミュニティ機能の取り込みが非常に大きい。
 集客の観点からは,コミュニティ機能は滞留時間が長いので,ユーザを引きつけることに関しては優れている。ただ,コミュニティ機能を取り入れるときに,ビジネス的にはどのようなモデルが成り立つのかという疑問が起こった。gooでは,現在オリジナルでコミュニティビジネスを展開するためのビジネスモデルを模索しているが,それに先立って,8月1日からコミュニティサイトGALA Friendを運営するガーラと提携を始めた(http://www.friend.ne.jp/)。gooのオフィシャルコミュニティとして,gooからGALA Friendへ誘導を行うと同時に,GALA Friendの各カテゴリのトップにgooの検索窓をつける。NTT-Xでは,ガーラのコミュニティの運営能力に非常に注目している。

(5)フリーメール
フリーメールは,ユーザのアクティブ率が高いので,興味あるジャンルごとにワンtoワンの情報を提供する会員制情報サービスを考えている。

(6)ECモール
gooがユーザにふさわしい商品を選んで提供する。ECを始めるときに問題となるサーバの管理や課金などは,gooがパッケージで提供する。

 出店側は,gooのフォーマットに合わせて商品情報や画像データを送れば,自動的にレイアウトされるので,インターネットに接続できる環境を用意すればよい。現在は,20数店舗が参加している。 インターネット上でのショッピングに不安を感じる人のため,gooIDを提供している。これは,あらかじめクレジットカードの番号をgooに登録してもらい,gooショップで買い物をする際は,ユーザIDとパスワードのみを入力すれば自動的にそのカードに課金されるというシステムである。

(7)使いやすさを追求したインタフェイス
 リニューアルに至るまで,サービス開始時のデザインやインタフェイスを拡大してきたが,コンテンツが増えてデザインの維持に無理が生じてきたことと,全体的にページが重くなってきたことにより,リニューアルを実施した。
 第1は,サービスの増加による再構成である。特に,goo独自のコンテンツと広告との棲み分けが問題となった。gooの看板商品はトップページのバナーであるが,広告ビジネスでそのアイソレーションが取りにくくなってきた。ただし,あまりに大きくインタフェイスを変えてしまうと,既存のユーザが混乱をきたすので,全体のレイアウトは以前のものを踏襲しつつ,できるだけシンプルにした。表示に時間がかかるという意見もユーザからあったので,できるだけテキストによる表現を主体にして,表示速度の向上を図った。
 「トピックス」というコーナーでgooの最新情報を,また最近急上昇している検索のキーワードを「注目検索キーワード」としてランキング的に新しく提供している。この2つは,ページに動きをもたせる役割をもつ。ひんぱんにアクセスしてもらうには,アクセスするたびに新しい情報が必要である。コンピュータの画面では左上から右下に視線が流れるといわれているので,ロゴをメニューの左上に置き,その真下にトピックスを置いて注目度を高めた。これが功を奏したのか,トピックスのクリック率はかなり高い。
 第2に,情報が多くなるにつれ,情報デザインの統一が問題になった。長年,多くのデザイン担当者がいろいろな形で作ってきたので,一定の傾向は守りつつもどうしても統一性の保てない部分が出てきていた。さらに,新しい情報ゾーンができたとき,今までの考え方に合わない場合がある。そこで,上記の問題点を解決すべく,デザインのフォーマットを用意した。まだ,すべてにはわたっていないが,サイト全体のデザインが統一されるように順次準備を進めている。左側のメニューの部分は色をつけ,主要コンテンツは右に置いた。
 今後の課題は,goo内の情報の回遊性である。gooのユーザは80%以上が検索を利用するが,検索結果ページからメニューへリンクが張ってあっても,検索結果を見るだけにとどまるのが現状である。今まで検索中心に考えていたが,他サービスへのアクセスの誘導を強化する必要があるだろう。
 より総合的なポータルサイトとして,年度末には約1600万アクセスを目指していきたい。
 なお,文章中の数値はすべて講演時(1999年7月23日)のものである。(株式会社NTT-X/国枝学氏の講演より,通信&メディア研究会)

(JAGAT Info 1999年9月号より)

1999/10/15 00:00:00


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