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3年以内に進むCTPを中心としたシステム化

JAGATの2001年度経営力アンケート調査によると、今後の導入意向が強い設備はCTPプレートセッターで、3年後にはCTPプレートセッターの保有率は約8割になり、CTPを中心としたデジタルワークフローもかなり普及するみられる。

高いフラッドベッドスキャナーの保有率

回答企業で保有企業数が最も多い設備はフラットベッドスキャナで、イメージセッタ、色校正用のカラープリンター(網点無し)と続いている。いずれも現時点で3/4以上の企業が保有している。この3つに続いて保有社数が多いのが,単色枚葉印刷機、4色以上の枚葉印刷機(インラインでの後加工ユニットなし)、販売管理ソフトで、これらについては6割以上の企業が保有している。(注:印刷機の選択肢は12あって回答はかなりばらつくので、印刷機単一項目での保有企業数はプリプレス機器よりも少なくなっている)

CTPの保有率は5割弱

回答企業の46.2%が既にCTPプレートセッターを保有している。その内訳を見ると、アルミベースが35.1%、フレキシブルベースが5.3%、両者を併用している企業が5.8%であった。 今後の導入意向をみると、CTPの導入意向が各項目中最も高く、現在CTP化を図っていない企業の50%強が、今後3年以内に新たにCTPプレートセッターを導入するとしている。もし、そのとおりに導入されると、3年後のCTPプレートセッタ保有率は75%になる。 CTPに次いで導入意向が強いのがSGML/XML処理ツール、そして管理情報システムである。管理情報システムについては、原価計算システム、工程・進捗管理システムの新設・増設意向が強く出ている。

急速に進むCTPを中心としたシステム化

今後の導入意向が強い上記3分野に次いで導入意向が強いのがCTPを中心としたシステム化に関連する設備である。具体的には、検版装置、DDCP(網点アリ)、CIP3対応印刷機、カラーマネージメント用プロファイル作成ツールである。
CTPプレートセッタの普及に伴って周辺設備の導入が進められ、今後3年以内にCTPを中心としたデジタルワークフローが中規模、中堅規模の印刷企業に普及するだろう。

上記以外の回答のポイントは以下のとおりである。

@ ネットワークについては、デジタル専用線の保有企業が6割弱で最も多いが、WEBサーバーもかなり導入が進んでいる。
A 8色機の現在の保有企業比率や4裁4色枚葉印刷機の保有率が今後大幅に上昇する気配はない。
B デジタル印刷システムでは、枚葉カラーコピーの保有企業数が最も多く、次いでモノクロデジタル印刷機、大判プロッターと続いている。
C 廃棄意向が最も強い設備は電算写植である。ただし、継続保有するという企業が廃棄意向の3倍ある。イメージセッタ、ドラムスキャナも継続保有意向が強く、今後も各社の現場でかなり利用されていくと見られる。
(注:回答企業(171社)の規模構成は50名〜199名規模の中規模企業で6割、30名〜49名と300名以上の企業がそれぞれ15%を占めており、印刷産業全体の規模別構成に対して、圧倒的に小規模企業が少ないことを念頭に結果をみていただきたい)

(出典:「JAGATinfo 2002年6月号」より)

2002/05/24 00:00:00


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