去る3月16日に，第19期DTPエキスパート認証試験を全国75カ所（JAGAT会場4カ所・指定講座会場71カ所）で実施した。雨模様の地域も多く寒い1日であったためか欠席者も比較的多く（109人，欠席率5.4％），2012人の申請者中1903人が試験に臨んだ。これで前期（18期，2002年8月）の受験者2543人と合わせて今年度の総受験者数は4446人で，年間では過去最多人数である。また，通算の受験者数も2万5000人を突破し2万6157人となった。
19期受験者の顔ぶれ
印刷会社や関連メーカー・ディーラーなどの業界の人が年度末の3月期の受験を避けるというここ数年の傾向どおり，前期（8月）より受験人数は減り，受験者属性にもそのことが如実に表れた。ただし，会社単位で受験申請をする'企業受験'は前期の58社から67社に増え，受験人数710人は全体の37.3％にあたり，社数・割合ともに過去最高値であった。
業種別で「印刷・製版」が2000年3月の13期試験以来，7期連続でトップをキープしているが，前回60％を超えたシェアは50％台に落ちた。業界系「メーカー・ディーラー」も大幅に人数を減らしたが，「一般・個人」と「デザイン・出版」のグループではほんの少しではあるが増えた。
男性受験者は前期から567人減って1335人で全体の70.2％，女性は73人減の568人で29.8％と，減った人数のほとんどは男性であった。これにより前期で7.5対2.5までに開いた男女比だが7対3に戻った。また，年齢別で最も多かったのは20代で948人，次いで30代の647人，40代で200人で平均年齢は31.0歳（男性32.5歳，女性27.6歳）となり，これも前期の32.2歳から下がった。なお，今回20歳未満の人が34人とこれまでになく多かったが，指定講座で専門学校の新卒者が多く受験したためである。また，50歳以上の人は72人おり最高年齢は60歳であった。本試験は業界の人が増えると男性比率が増し，平均年齢が上がるという特徴があるが，今期はそれを逆から裏付けた結果となった。
会場別で受験者数を見ると，東京は818人で前期から95人増えて過去最多人数となったほかは，大阪で220人（−148人），名古屋で79人（−60人），福岡で114人（−47人），指定講座会場でも672人（−640人）と軒並み前期を下回った。指定講座は新たに2校が加わったため会場数では71カ所と過去最多であったが，前期8カ所で実施した業界への出張指導が今期4カ所にとどまり大きく人数を減らした。なお今回JAGAT会場のなかった，仙台・札幌は次回第20期試験では実施する。
印刷会社の部門別受験者の推移
前期，印刷会社のどんな職種の人が受験しているかを，受験申請書に記載された部署名から判断し部門別で集計した結果「営業」が最も多いことが明らかになったが，今回3年前の13期試験まで遡って各期の部門別割合の推移を出してみた。
2001年8月の16期試験で「営業」部門が「プリプレス」部門を上回ったが，その後17期では下がり，18期で再び逆転するも今回また下がるというように3月では現場が営業を上回り8月ではその逆の結果となっている。本誌3月号で，PAGE2003のDTPエキスパートコーナーでのアンケート結果から「台頭してきた営業・マーケティング部門のDTPエキスパート」と題し，近年印刷会社では現場部門より企画・営業・マーケティング部門の受験者が増えていることを報告したが，3月の受験を避けているのも彼らだということが今回はっきり分かった。
更新試験状況
今期更新試験の対象となったのは，3期・7期・11期および15期のDTPエキスパート1858人である。4回目の更新となる3期の人で8割，3回目の7期，2回目の11期，初めての15期でそれぞれ8割5分の人が受験申請をし，1581人が試験に取り組んだ。延期を希望した62人を加えると依然として9割近くの人が更新を希望していることになる。また，前期の更新を延期した人と不合格となるも再受験を希望した人を合わせた179人も同時期で受験した。対象者が増えるに従って，海外赴任中にその時期を迎える人も毎回数人いるようになった。試験は在宅で3週間の期間を取って行うため，海外であっても基本的に受験そのものに差し支えなく，今回も4人がアメリカ，フランス，カナダ，シンガポールで受験した。郵便事情を考慮して提出期限の延期措置なども取れるので，そのような方はあらかじめ事務局まで申し出てほしい。
本試験，更新試験ともに合否結果は6月2日に各個人宛に郵送する予定であるが，それに先立って5月中旬に，本試験合格者の受験番号，氏名を当協会のホームページ上で発表する予定である。 （DTPエキスパート認証・登録事務局）
（JAGAT info 2003年4月号）
2003/04/07 00:00:00