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持続可能な事業作りのために

今社会は、先が非常に読みにくい状態になっている。経済問題、国際関係、地球環境問題、高齢少子化問題、……とどれひとつとして先例がなく決定的な解決策が見出せていない。
しかし既存のやり方ではも早や何事も通用しなくなる、ということは誰でもが十分実感する段階に来ている。
そしてこのような段階の中で、企業活動を持続させていくためにはベンチャーシップが求められる、ということに誰も異存はないであろう。

ベンチャーを一言で言うと「いままでにないビジネスモデルによって新しい事業領域を開拓していくこと」となろう。
だからこそベンチャー企業はONLY1になりうるのだし、実際それをスローガンに掲げている企業も多い。しかし先例のない領域に挑む以上、そこには高いリスクがあり、成功するベンチャーは極めて少ないのである。

その中で、成功するベンチャーのほとんどが、社会貢献に結びつくビジョンを持ち、それを事業モデルの中に落とし込んでいることを今一度見つめ直して見るべきであろう。
換言すれば、社会貢献に結びつくモデルが出来ていない事業は、一時的にニーズとマッチングしヒットすることはあるかもしれないが、持続する事業としては成り立たないのである。
それでは、その場その場でアイデア勝負をしていく単品別の一発屋としての事業にしかならない。

社会貢献に結びつくモデルを作るとは、どういう人たちのために、どういう役に立つのか、に関する具体的な絵を描くことから始まる。
それは「顧客の顔」を直視することでもある。

当然ながら企業があげる収益はサービスなり物販なりの対価であり、その事業領域の中には多様な業種業態が組み込まれている。だが極論を言えば、どのようなプロセスが間に組み込まれていようと、どのような事業も最終的にはエンドユーザーとしての個人顧客につながるのである。

IT化の流れは、そのプロセスをシンプルにする方向に間違いなく働く。その結果、エンドユーザーである個人顧客の動向は、すべての事業にすみやかに波及してくることになる。

今後の社会形態の中での企業活動は、「顧客の顔」を見ることが求められてくるのである。
それは、出版も印刷も同様であるし、他業種以上に直接的影響がある分野である。そして出版と印刷は進化をしなければならない、段階に達している。

◆JAGATでは、来る7月16日(水)、シンポジウム「顧客の顔が見えるメディア――顧客との関係で進化をはじめたメディアとビジネス」を開催します。

(注)会場が変更になりましたのでご注意ください。
⇒会場:社団法人日本印刷技術協会(東京都杉並区和田1-29-11 TEL03-3384-3111)
会場地図はこちら

ここでは上記の「顧客の顔」が見えるメディア作りを通して社会貢献に結びつく事業モデルを成功させている、ベンチャーシップを持った企業のトップの方々をお招きしました。
これは、出版―印刷をこれからの社会が進む方向性の中で捉えなおすチャンスでもあります。

●iMiネット(「逆」マーケティング・メディア)
●OKWeb(Q&Aメディア)
●みんなの書店(参加型書店)
●ぱど(地域密着型フリーペーパー)

という4つの事業の代表者の講演。最後のパネルディスカッションでは、「ワン・トゥ・ワン」の第一人者である和田昌樹氏をモデレータに、顧客と共に創るメディアのあり方と具体的ビジョンを探ります。
皆様のお越しをお待ちしています。

2003/06/25 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会