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クロスメディア時代の6つの先端技術

PAGE2004の基調講演でテーマとなっているコラボレーションのためには「リアルに,いつでも」の技術が必要である。PAGE2004先端技術ZONEでは,クロスメディアにもっとリアルにする立体視(ステレオ3D)技術,デザイン・プリプレス工程のパソコンによるひとり作業の限界を打ち破り密なコラボレーション作業ができるビッグサイズディスプレイ技術,そしてビジネスが間近になった電子書籍の読書端末、さらに2次元コードやICタグの応用技術など、6つ先端技術を実際に見て・触って・体感していただく。

■ 立体視(ステレオ3D)技術
立体視は印刷ではレンチキュラーレンズによるものが以前からあり、映画ではモノクロ表現に限定されてしまうが赤と青のサングラスで見るものが昔からあった。映画でカラー画像の立体視ができるようになったのは、液晶シャッタと偏向フォルタを組み込んだ専用メガネが開発されてからで、直径が20m以上もある巨大な半球型スクリーンの映写するオムニマックスの立体感には度肝を抜かれたものである。そして現在、液晶シャッタと偏向フォルタは液晶やプラズマディスプレイの表面に組み込まれ、専用メガネなしの裸眼で立体視ができるようになってきた。既にパソコンや大サイズモニターが発表され、一部は発売も始まった。
撮影は市販のデジタルカメラで撮った複数枚の画像を3D化ソフトで変換する。ディスプレイは視点の数の違いで、1人で見る小型画面では1視点方式、大画面で複数の人が見るためには画像処理が複雑になるが多視点方式が開発されている。 PAGE2004先端技術ZONEでは、立体撮影のミニスタジオも設置して撮影〜処理〜表示・印刷までを体験できる。 立体視できるパソコンやテレビが普及すれば、電子カタログも立体画像にしておかなければならないので、クロスメディアの近未来の姿として見てほしい。
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■ ビッグサイズディスプレイ技術
1つ目は、新聞紙面サイズ・タッチパネル付きディスプレイ(プロトタイプ)は、従来タイプの約4倍の解像度を持ち28.3型大画面のTFT液晶に、新聞紙面(A2判)を実寸サイズで紙面編集ができる新聞組版システムを一体化したものである。

2つ目は、強力な検索機能を持つデザインDBと、50インチプラズマディスプレーを中心にシステム化されていて、顧客は広告情報の共有と共同利用、そしてデザインプロデュース作業をペーパーレス化するだけでなく、複数のスタッフが、さらには遠隔地に設置した同じシステムとネットワーク化することで、画面で情報共有しながら非常にダイナミックなデザインコラボレーション環境が実現できるところを、展示で実感して頂く。顧客側からはトヨタ自動車(株)から資料提供が提供される。
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■広色域ディスプレイ技術
アプリケーションや出力デバイスが利用するカラースペースであるワーキング(作業)スペースには、デジタルカメラ撮影やDTPレタッチ作業で使われるRGB作業用スペースとしてはAdobeRGB(R)やsRGBが設定され、出力のためのCMYK作業用スペースにはJapanColor2001CoatedやUS Web Coated(SWOP)などが設定されるようになってきた。しかし、今までは色域の広いAdobeRGBを正確に表示できるモニターが無かったが、やっと印刷のためのAdobe(R)RGB色空間をサポートするCRTディスプレイが登場した。PAGE2004では従来のCRTモニターと比較して見ることができる。
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■二次元コード技術
バーコードは、一方向だけに情報を持っているのに対し、二次元コードは、縦、横二方向に情報を持つことで、記録できる情報量をバーコードの数倍〜100倍にまで増加させたコードです。QRコードは二次元コードの中でも、大きなデータ容量を実現している。今回、展示されるQRコード(二次元コード)は、縦、横二方向に情報を持つことで、記録できる情報量を飛躍的に増加させたコードで、QRコード PDF417 DataMatrix Maxi Code などの種類があり、開発はそれぞれデンソー(日) Symbol社(米) CI Matrix社(米) UPS社(米) で行われた。特にQRコードは大容量省スペース高速読取が特徴で、漢字で1,817字が記録でき、大容量と言われていたPDF417の554字を大幅に上回っている。
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■ 電子書籍読書端末
電子ペーパーはじめ,読書端末のための新しい技術がさまざまに開発されており,モノクロ表示ながら単三電池2本で数カ月の電池寿命という製品や,省電力のカラー表示などの読書端末製品の登場も間近になってきた。これらを応用したいろいろな分野への応用が見られる。松下電器からは発売間近のΣ(シグマ)ブック、5台が展示される。
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■ ICタグ応用技術
ICタグは、バーコードに代わる次世代商品コードの格納用媒体として期待されている。店頭に並ぶ食品、日用雑貨、書籍などの商品に広く普及するまでにはまだ数年を要すると言われているが、さまざまな応用展開への実験や実証が始まっている。
例えば「電波ポスター」とは携帯電話と、ICタグを内蔵した携帯電話用ストラップを組み合わせた情報配信システム。ICタグには個別のIDが記録されており、携帯電話のメールアドレスとIDを関連付けてデータベースに登録する。また、街中のポスターなどの背面にICタグ読取用のアンテナを設置する。ポスターに携帯電話を近づけると、アンテナがICタグに記録されたIDを読み取り、サーバへ送信する。サーバからIDに対応するメールアドレスに情報を配信するもので、PAGEではデモが予定されている。
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2004/02/02 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会