本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

2000年印刷ビジネスのキーワード

現在,日本は10年を超える大不況,国際化,デジタル革命など,社会構造・環境変化のただなかにあり,人も企業も大転換しないと生き残れない時です。世紀末は人の心を不安にし,揺り動かす時でもありますが,希望をもたらす大きな区切り,ミレニアム(千年紀)を前にして,トータルデジタルメディア時代の印刷ビジネスを構築しなくてはなりません。
 プリンターズサークル12月号では,2000年大特集として,新しい印刷ビジネス創出をする上で欠かせないキーワードを集めて解説しています。また,「ミレニアム度チェック」として,問題編も掲載。社内学習にぜひお役立てください。(以下は,プリンターズサークル12月号特集より抜粋)


キーワード編

マネジメント関連

バリューチェーン(価値連鎖)
 今日の経営トレンドは,ほとんどこの考え方を基本にして生まれている。これは,ハーバード大学ビジネススクール(経営大学院)のM.E.ポーター教授が,競争優位論(1985年)のなかで,自身の理論を説明するために編み出した考え方である。今日の経営トレンドと競争理論が密接なのもそのためだ。

 バリューチェーンは,企業活動(ビジネス)をワークフローではなく「機能」で分けて,5つの基幹的活動と,それを支援する間接活動とで捉える(図1参照)。企業はこれら全体で顧客に向けた「価値」を生み出し,その対価としてマージン(利益)を得ているという考え方である。機能が鎖のように連携しているというイメージなので,チェーンと名付けられている。

 ここでいう価値とは,例えば印刷業なら印刷製品の物的な完成度はもちろん,その機能性や生み出す効果,発注サポートやデータベースサービスのような付帯サービス,24時間営業のような利便性や,店舗型なら足の運びやすさ,企業としての安心感や取り引きすることのステータスなど,多様な便益をすべて含む。

 ポイントは,@企業活動を機能の連携(ビジネスプロセス)と捉えたことA間接活動も顧客価値を生む重要な要素と考えたことの2点で,それぞれ「リエンジニアリング」「CS」という考え方へと発展していった。


※本誌では他に,サプライチェーン・マネジメント,ナレッジマネジメント,ワンtoワンなどをピックアップしています


キーワード技術関連

セレクティブバインディング
 製本工程において,個別の折を加えることに対応した製本システム。
例えば,通販カタログにおいて,各層共通の本文の折とは別に,前回までの購入データなどに基づき,個人のニーズに合ったジャンルの特集ページなどの折を加え,パーソナル対応の製本を行うことである。

 市場の変化により,企業のマーケティング戦略もマスマーケティングの考え方から,消費者の属性や嗜好,ニーズなどの顧客データを重視したパーソナルマーケティングにシフトしつつある。
 これらはワンtoワン マーケティングとして注目されているが,その情報ルーツとしてパーソナル対応のカタログやパンフレットの需要が増えている。

 このような個別対応ツールの制作において,1部ごとに内容の異なるバリアブル印刷,セレクティブバインディング,セレクティブパッキングなどが利用される。

 セレクティブバインディングでは,顧客・購買歴などのデータベースと組み合わせて,購買ターゲットを絞り込んだ対象者向けの折丁の選別追加や,個別メッセージ印字など行う。現在は中綴じが主流であるが,無線綴じのラインの機種も出ている。


※本誌では他に,データベースパブリッシング,SGML,XML,プリフライトなどをピックアップしています


問題編

デジタルメディア時代を生きるキーワード
――あなたのミレニアム度チェック――

印刷ビジネス編
 以下の文中に当てはまる語を下の語群から選び,(  )に記入しなさい。
@ デジタル技術革命
 すべては従来の(  )技術と異なるデジタル技術によって始まった。文字組版,製版などの専用機器は(  )システムだったが,DTPのデジタル技術は汎用的システムとなり,印刷業もE−ビジネスのなかに組み込まれることになった。また,デジタル化は技術のみならず社会を(  )な情報社会へ導いた。

A ネットワーク化
 やがてデジタル技術は,コンピュータをネットで接続するインターネット(ネットの集合体),イントラネット(企業内ネットワーク),(  )(特定企業間ネットワーク)へ発展し,社会のインフラを変え,情報配信,(  )の方法に影響を及ぼし,印刷界ビッグバンをもたらした。

Bマルチメディア
 得意先と印刷業の間,工程間は(  )化して,営業活動の内容,制作ワークフローを始め,印刷ビジネス全体が変わろうとしている。Web発注,オンライン入稿,データ活用によるワンソース・マルチユースも普及しつつある。これらの変化に対応するために,PDF,SGML/XMLなどさまざまな技術トレンドを常に把握しなくてはならない。

C顧客対応/パーソナルマーケティング
 一方向だった情報の(  )化は,これまで困難だった特定顧客・個別ニーズへの対応を可能にした。市場シェアを拡大するマス・マーケティングに対して,特定顧客シエアを拡大するデジタル技術を利用したワンtoワン マーケティングなどは,既に実践されている。印刷物の(  )化,総合から専用カタログへ,あるいはオンデマンド印刷,セレクティブ・バインディング技術,データベース・パブリッシングなどの動きはこれらに基づいている。

A.クローズド B.オープン C.ボーダレス D.双方向 E.アナログ F. エクストラネット G.コミュニケーション H.小ロット




解答
@デジタル技術革命:E,A,B Aネットワーク化:F,G 印刷ビジネスの変化:C C顧客対応/パーソナルマーケティング:D,H




プリンターズサークル12月号特集記事より抜粋

(詳しい内容はプリンターズサークル12月号をご覧ください)

月刊プリンターズサークルと最新号のご案内

購読お申し込みはこちら

1999/12/10 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会