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DTPエキスパート1万2千人突破!

去る5月17日,3月に実施した第21期DTPエキスパート認証試験の合格者を,ホームページで発表した。総受験者1594人のうち合格者は657人,41.2%の合格率であった。合格率だけを見れば,これまでに行った20回の試験の平均が40.5%なので,ほぼこの試験の標準的な結果になったと言ってよいであろう。
この結果,1994年3月の第1期試験以来丸10年が経過して,通算の合格者は1万2000人を突破し,1万2216人となった)。
また,同時期に実施した更新試験は,第1期,5期,9期,13期および17期のDTPエキスパート1638人が対象であったが,1401人(申請率85.5%)が受験し1260人が合格した(合格率89.9%)。

21期試験採点結果
今期試験会場(東京)では,通期よりも解答時間を余らせて途中退席する人が少なく,「これまでで一番難しかったのでは…」といった感想も耳にしていた。そのため53%とここ数年で最も良い合格率であった前期から一転して落ち込むことも予想していたのだが,結果としては上記のように平均的な合格率に落ち着いた。問題が難しかったというよりは,長文問題の増加などに伴って解答するのに時間が掛かったということなのかもしれない。
ただし,筆記試験の結果を見るとやはり全体的に決して良くないことが分かる。筆記満点の711点に対して平均点は556.1点。つまり正解率は78.2%で合格ラインの80%に達しておらず,5つのカテゴリー別に見てもすべて平均点が合格ラインを下回ってしまった。ちなみに前期の正解率は81.3%で4つのカテゴリーで平均点が合格ラインを上回っていた。なお筆記試験だけの合格率は44.5%で,この時点では705人が合格であった。

カテゴリ別で最も落とす人が多かったのはC2(発注側知識)で,1カテゴリのみ不合格者の半数以上を占めている。これは新規問題の設問数とも相関関係があるが,この数年,期ごとに揺れ動いており,17期はC2,18期はC4,19期はC2,20期でC1と来て今期またC2に戻った。また,合格者の平均正解率は89.9%であるが,不合格者のそれは70.0%と合格ラインの80%に遠く及んでおらず,いつものごとくギャップは大きい。
一方,課題試験だけの合格率は86.8%であった(提出者のみ)。今期課題だけで不合格となった人は48人だが,そのうち21人は未提出である。従って筆記試験に合格し課題を提出したのに不合格となった人は27人に過ぎない。課題の平均点が課題合格率に比して低いのは,未提出者が0点と採点されるからである。
不合格となった課題のほとんどは,「課題制作の手引き」の基本条件を守っていないもので,その中には提出期限を守らずに失格となった人7人も含まれる。また,今回も不正コピーと判断されたものが数点,過去のデータを使用した作品が数点発見され失格となった。

今回,通期と比べて業種別で見た合格率がかなりばらけた。業界の人(印刷・製版)は平均合格率を下回っている。一般・個人がいつも高いのは指定講座受験が多いためであり,適切な指導の成果が明らかである。
年齢別に見ると,24歳未満と40歳以上で合格率が落ちるが,その他では大きな差はない。最高年齢合格は62歳,最低年齢は18歳であった。今期20歳未満で12人合格し,合格率が高いのは指定講座の専門学校生によるものである。
ちなみに合格者657人中242人は女性であるが,毎回女性の合格率は男性を上回り,今期も49.0%と男性の37.7%を10ポイント以上も上回り圧倒した。

更新試験結果
2年に1度実施される更新試験は,10周年が経過したため1期の合格者は5回目の更新となった。それでも9割近い有資格者が申請し,更新に臨んだ。今期より5つの期が対象となったが,結果的に申請率・合格率・更新率ともにほぼ通期どおりの結果となり,引き続き高い更新率を維持している。

次回試験
次回第22期本試験は2004年8月29日(日)に東京・大阪・名古屋・福岡および仙台・札幌にて実施する。試験の詳細や申請方法などの最新情報はホームページに掲載している。
なお次回の更新試験は,2期・6期・10期・14期・18期の合格者が2年ごとの時期を迎え,21期試験と同時期に在宅受験で実施する。対象者は更新試験では初めて2000人を超えて2407人となり,人数規模では本試験に匹敵するものとなった。

2004/06/18 00:00:00


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