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生産システムも作り変える「デジタル」

デジタル情報システムは珍しいものではなくなったが,デジタル化したことのメリットの出方は,利用分野ごとに時期も内容も違っていた。最も大きい変化をいち早く受けたのは,当然ながらビジネス面でありECというのが登場することで多くの会社が巻き込まれた。その中の紆余曲折で失敗例も多くあるが,一方で成功者は次第に怪物になりつつある。しかしこの怪物も突然現われたのではなく,OAの流れの必然的な結果ともいえる。ビジネスの情報をリアルタイムに把握して無人処理で対応できるようにすると,コストダウンとか販売機会増大につながるからだ。

第2番目に変ったのがWEBや携帯電話などによるコミュニケーションの発達によるマーケティングの変化である。TVなどマスメディアや紙の広告媒体は,媒体が販売そのものからは独立している点で地位低下する部分がある。OAが企業内のテーマであったのに対し,デジタルメディアで広範な人々とつながりがもてて社内外連携したシステムになったことで,コミュニケーションのコスト削減ができた。
だがそれにとどまらず,デジタルメディアが作り出すネットワークの中に大きな「商圏」が出現し,ネット上で売る人と買う人の行き交う場所に,効率的なビジネスの仕組みを置くことができるようになった。

第3番目の変化としてモノ作りの世界に及んできたものが,SCM(サプライチェーンマネージメント)による調達や物流管理に始まり,さらには生産設備そのものもデジタルネットワークの中に位置付けてリエンジニアリングされるところまで到達した。印刷工程全体がネットワークで管理されるようになって,工程間の連携をとるための印刷機および加工機のプリセットとかデータ交換の必要性が高まり,JDFのような標準データ交換フォーマットが生まれた。つまり,かつてメカトロというのは単一機械内部の改善であったのが,JDFなどのデータ交換を目的に,一段階高度なメカトロ設計がされるようになってきた。

JDFは新しい印刷機などには仕組みとして最初から取り入れられ,またデジタル印刷機の管理にも使われだしている。印刷の方式を何にするかを決める段階からJDFは使えるようになり,印刷現場の立場でのJDFに対する期待や必要性とは関係なく利用に向けて進んでいく兆しも見えだした。

また印刷方式が何であれ,DTPなどで作成される紙面は共通に使える。印刷の版に行き着く直前のところであり,しかもプリプレスの出口のところのAcrobatでJDFの情報が使えるようになるなど,実際にJDFでカバーする範囲が広がり,それにつれてJDFツールが増えている。生産管理面ではかなり具体的にJDF応用を考えられるようになった。

さらにフレキシブルな生産システムへ

デジタルになって何かと制約が多かった時代を通り過ぎて,設備の開発も利用も柔軟でさらに生産効率の上がる次ステップに向かっている。カラーマネジメントの普及により,それぞれの仕事のカラー原稿ごとに,どのように色を合わせていくかという考え方から離れて,印刷機を含めて色を扱う各装置ごとのプロファイルを捉えるとか,各装置の色再現性の安定化に視点が移った。その次の段階の応用としてリモートプルーフや,モニタプルーフという,校正の流れの変化を起こそうとしている。

オフセット印刷はCTPが主流になり,残された多様な仕事に合わせてCTPは小型化多様化にある。一方でデジタル印刷は次第に長いロットを扱うようになり,両者の分岐点の考え方も変わる。発注側は印刷方式にとらわれないフレキシブルな選択が可能になろうとしている。
ハイエンドの印刷機の次ステップはシャフトレスから始まり,ダイレクトドライブ,スリーブ型の版,バリアブルカット長など,100年続いた機構に対して斬新な機構が取り入れられるようになった。これは前述のメカトロの電気系制御技術をベースにして印刷機の構造が様変わりするかもしれないという予測の具体化した例である。

これら生産システムのさらなる向上が見え始めているので,それによってどうコストダウンや商機拡大につなげるかという点で,データをもとに上手に舵取りをするために,JDFと結びついたMISの重要性が高まりつつあるといえる。

関連情報 : 2004年12月8日(水) JAGAT トピック技術セミナー 2004

2004/11/12 00:00:00


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