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ネット販売の影響を受ける通販カタログ

世の中全体を見渡してみると、インターネット、モバイル、ECなど、IT技術と関連サービスは予測された通りあるいは予想以上のスピードで普及し日常生活にすっかり定着した。 当然のことながら印刷物市場、主要関連産業で、これからそうなるだろうと言われてきた変化が見られるようになった。

通販分野では、ネットでの売上がチラシによる宣伝を上回った。ブロードバンドの普及によって、費用対効果における電子メディアの優位性が発揮され始めたからである。
図1は、通販業が利用する各種媒体に関する売上高、広告費、利用度をまとめたものである。図1のとおり、カタログによる売上がダントツに大きく、売上全体の31.1%がカタログの配布によってもたらされた売上である。第2位はDMによる売上だが、インターネットによる売上は売上高全体の10.4%で、チラシを上回る売上をもたらす広告宣伝媒体になっている。


媒体別の売上額の2001年から2002年への変化をみると、インターネットの伸びが非常に大幅であることがわかる。また、媒体利用率では、各メディア中トップの媒体になっており2002年時点では通販業の74.8%がインターネットを利用している。図1にはないが、オンラインショップの月間トップページビューは、761,000件で前年に対して倍増し、受注数も5割強増加している。携帯電話による受注数はオンラインショップ全体の22.0%であるという。インターネットの利用を業態別に見ると専業者ほど伸びており、規模別には規模の大きい企業ほど伸びが大きい。

図2は、通信販売業の売上高と通信販売業で使われるカタログ、DM、チラシの制作費の推移である。カタログ、チラシの制作費合計は、1980年台いっぱいは増加傾向で推移したが、1991年の1675億円を境にして全体としては横這いでの推移になっている。しかし、ピーク時の1997年(1810億円)を基点にしてみると2002年(1560億円)までの推移は減少傾向と見ることができる。
基点の取り方で見方が変わってくるが、インターネット等の普及時期と重ね合わせてみると、後者の見方の方が妥当ではないだろうか。


(社)日本通信販売協会 「通信販売企業実態調査報告書」よりJAGAT作成

2004/11/28 00:00:00


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