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さまざまな知識を結び付け大きな成果を残したい

◆清野 貴明

受験勉強をきっかけに知識が有機的に結合
「DTPエキスパートの試験を受けよう!」と思い立ったのは約2年前,現在の会社(医療系出版社)に入ってから3年目のことでした。当時,私は企画編集部門に異動したばかりで,DTPに関しては全くの素人でした。Macintoshに触るのはほとんど初めてで,Adobe IllustratorやQuarkXPressなどのアプリケーションも,マニュアル本がなければ基本操作もままならない有り様だったのです。それでも無理やりクライアントに提出する見本やデザイン案を作っていたのですが,いずれも時間ばかり掛かって,自分でも首をひねってしまうようなチープな内容しか提出できず,毎回悔しい思いをしていました。
また,プリプレスに関しても経験不足で知識が足りなかったため,打ち合わせの際には必ず用語事典を手元に用意して,意味の分からない言葉が出る度に参照するなど,試行錯誤の連続でした。「何とかしなければ,でもどうしてよいのか分からない」と毎日焦ってばかりだったことを覚えています。

そんな時に,知り合いから偶然「DTPエキスパート」の存在を教えてもらい,資格の特徴や試験内容を自分なりに調べて受験を決意しました。参考書を購入し,いざ勉強を始めてみたら知らないことばかりでがく然としましたが,「分からない点がはっきりしただけでもよいじゃないか!」と開き直って取り組みました。個人的に最も知りたかったDTPやプリプレス以外にも,レーザー光線の種類や,苦手なSQL,XMLなど,正直なところ「何でここまで」と思う分野もありましたが,勉強を進めるとさまざまな内容が頭の中で有機的に結合し,まとまった知識の固まりになっていきました。
筆記試験前日まで知識を詰め込み,何とか試験を終えて課題作成に取り掛かったものの,仕事の締め切りとちょうど重なってしまったため,1週間は手付かずのままで,残りの7日間で課題と制作ガイドを作るハメになりました。仕事が終わってから徹夜で作業を続け,朝8時にいったん会社を出て自宅に向かい,シャワーを浴びて着替えて10時に出社したこともありましたが,仲間の協力もあって何とか期限内に完成。無事に1回の試験で合格できました。

さまざまな分野に関心をもち新しいことにトライしたい
DTPエキスパートの資格を取得するための勉強や,課題作成で得た知識と経験は,実作業でも役立っています。用語事典に頼る回数は激減し,調べ物に費やしていた時間をほかの作業に割り振れるようになり,クライアントや,各工程の担当者とも自信をもって話せるのがうれしい限りです。今まで一緒に仕事をしてくださった方々は,かなり苦労されたことと思います。資格の取得はスタート地点に過ぎませんし,現在もまだまだ周囲の方々にお世話になりっぱなしですが,引き続き精進するつもりです。
DTPエキスパートの受験者は印刷・製版関連の方が多く,出版社の職員は少ないようですが,デザイナーや印刷所の方など,さまざまな関係者とコミュニケーションを取りながら仕事を進める編集者にとっても有益な知識が得られる良い機会だと思います。

現在はDTP以外にもさまざまな分野に関心をもっており,ライティングや,パワーポイントを用いたプレゼン資料のデザインなど,新分野にもトライしています。一方で,外国為替取引や株式などの投資にも挑戦し,「ファイナンシャルプランナー」の受験なども検討中です。今はまだバラバラですが,それぞれが有機的に結び付いて大きな成果を残せるよう,努力している最中です。

 

月刊プリンターズサークル連載 「DTPエキスパート仕事の現場」2005年7月号


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2005/07/02 00:00:00


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