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Web入稿とPOD自動セッティング機能を訴求して新ビジネスを

デジタル印刷分野はさまざまなアプローチがあり技術的な到達やビジネスへのアプローチは微妙に異なる。PAGE2006コンファレンスE4「デジタル印刷のCIM」からベンダー各社の方向を探る。

【その2:EFI】 (その1はこちら、その3はこちら

1.デジタル・ストアフロント日本語版(Web入稿システム)
印刷データのWeb入稿システムであり日本語版は開発途中である。PDFをどこで作成するかによって2つの入稿方法がある。

1つ目の入稿方法は、印刷会社などのWebサーバーでPDF変換する方法で、業務用文書などOffice系ソフトで作成されたファイルをWeb経由で入稿するとWebサーバー側でPDF変換する方法である。発注者はWebブラウザに印刷会社などのURLを入力してデジタルストアフロント画面を表示させ、そこでOffice系のファイルを送信する。 アップロードが終わると、アップロードしたものがPDFに自動変換されるので、発注者に中身の確認もしてもらって、印刷を発注してもらうステップなると考えたい。

2つ目の入稿方法は、発注者が自身のPC上でPDF変換して校正した後でWeb経由で印刷会社などに入稿する方法である。発注者はDTPなどで作成したファイルをEFIプリントメッセンジャというドライバイでPDF変換することで直接、変換結果を見ることができる。OKであればこのドライバー経由で印刷会社などのWebサーバーにアップロードする。DTPのようにいろいろなフォントや、図版などのEPSファイルなどとリンクしながら作業しているときには、この方法のように発注側でPDF変換したほうがリンクファイルの欠落などのトラブルは起こりにくいだろう。

いずれの入稿方法でも、印刷注文のプリントサービス画面には、印刷や簡易製本、またプリンタの機能によってはタブ紙や表紙を挿入するような仕様にすることもできる。

仕上がり仕様は事前に設定できるので、印刷会社ではWebサーバー上に提供できる印刷仕上がり仕様のテンプレートを用意しておいて、発注者がクリックでこれらを選べるようにするとよい。
プリントサービスには、印刷以外のテンプレートとして、例えば「マグカップ」なども登録もできるので、いろいろな印刷物のWeb受注に使うことができる。

次の段階は見積りで、Webに印刷・加工仕様や配送先などを入力してもらうと自動見積りされて予定金額がわかるようになっている。最終的な発注はショッピングカート方式になっていて、支払い先や配送先を入力する。

受注した印刷会社では、JOBの内容を確認して、プリントや加工を行う。 発注者が入力した印刷指示(JOBチケット)が送信され、印刷枚数や簡易製本の方法などがJOBチケットになって同時に送信され、機械を自動設定するので、印刷オペレータは「印刷」というボタンを押せばよく、PDFやプリンタの知識が無くても簡単に印刷作業ができる。
複数のプリンタがすべてFieryRIPを使用していれば、Webから選択もできる。 部数の変更などは該当するJOBを選択して、内容を変更する。

現在のデジタルストアフロント日本語版においては、フェイズ1としてはデジタルストアフロントに接続しているプリンタでの印刷加工、つまりFieryRIPの利用を前提にしている。発展形としてはCTPへの出力などいろいろあるが、現状はこの段階である。

通常はアクロバットから印刷指示を出さなければならないが、いま紹介した方法であれば、デジタルストアフロントから直接、印刷指示を出すことができることになる。

2.JDF Connector
JDFは誰がいつ作成するかというと、発注者側などでAdobe Acrobat 7 などのアプリケーション・ソフトウェアでJDFを定義するか、印刷会社のMISで定義する。

JDF に記述された内容で思ったとおりに印刷できるかを確認するのはまだ困難であると考えて、EFIではJDF Connectorを提供して、プリンタでJDF ファイルの結果をプリントできるソフトウェアで、efi.com から無償でダウンロードできる。このソフトウェアをPCにインストールし、Fiery プリントコントローラ+プリンタを用意すれば、簡単にJDF ファイルによる印刷指示の結果をプリントアウトすることができる。
Acrobat からは、PDF ファイルを開くことなくJDFをJDF Connector に送信すると、そのJDF に定義されている内容通りにFiery がデータをプリンタに送る。
Acrobat などのJDF を定義するソフトウェア、JDF Connector とFiery +プリンタの組み合わせで容易にJDF を体験することができるようになる。

まとめ
これらフローは発注担当者がこの時点で承認するのは難しいと賛否もあるが、「ユーザープルーフ」の承認、非承認を確認する機能もあるので、印刷会社はこの機能を訴求して新ビジネスを作って顧客開拓に結び付けてほしい。

(PAGE2006コンファレンスE4から (株)イー・エフ・アイ 田中氏講演より 文責JAGAT)

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2006/03/20 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会