記事No.#1293-2003/7/7
顧客とのコミュニケーションで成長する企業
「顧客満足」…という言葉は,日本のビジネス界において,すでに言い古された言葉となり,印刷業界でも1to1マーケティングに取り組んだり,CRMシステムを導入したりと,各社各様にあの手この手で「顧客満足」を得るために工夫をしているが,実際にそれが定着している会社はまだまだ少ないのではないだろうか。
根本的に顧客を満足させ,顧客に納得してもらうには,「クライアントと共にメディア創りを」でも書いたように,「顧客との長いつきあいを持続させるには,顧客との対話活動に尽きる。そして,最終的にはコミュニケーションが大切」なのである。
地域密着型の情報紙であるフリーペーパーが近年,多種多様発行されているが,日本でその元祖ともいえる「ぱど」の代表取締役社長・倉橋泰氏は,「地域社会への貢献」が「ぱど」の存在意義だと言う。あくまで地域に根ざし,地域の活性化に貢献することを目指している。インターネットコミュニティ「ぱどタウン」も展開しているが,「地域情報がその地域の人に本当に役立つサイト」を目指し,顧客とのコミュニケーションを大切にしている。昨年,「泉州ぱくぱくタウン」(「ぱどタウン」の1つ)に「がきんちょ帝国」というコーナーをオープンしたところ,小・中学生やその父兄のコミュニケーションの場としてにぎわい,学校のIT教育の材料としても利用され,大評判とのことである。
来る7月16日開催のシンポジウム「顧客の顔が見えるメディア」では,「ぱど」をはじめとして,顧客との関係をしっかりと築いている企業のトップの方々をお招きし,その成功の秘訣と今後のビジョンについて語っていただく。
他のパネラーを簡単に紹介する。ライフメディアの代表取締役社長・鎌倉章氏は,電子メールマーケティング・サービス「iMiネット」の目指すところは,マス・メディアと正反対の機能を持つメディア「逆メディア」を社会の中に実現することだと言う。マス・マーケティングは大量生産・大量消費,大量廃棄の社会を世界的に出現させ,安くて良いものを広く流通させた一方で,消費者にすぐに捨てられる商品も大量に製造された。
地球の資源に限りがある以上,無駄な商品や物流はできるだけ減らしたい。そのためには具体的にどこの誰が何を望んでいるか,その情報を徹底的に企業に向けてフィードバックする必要がある。企業のあらゆる行動が顧客知識に基づいて行われるのが当たり前になるようにすることが必要だと訴える。
Q&Aコミュニティ「OKWeb」を持つ「オーケイウェブ」の代表取締役社長・兼元謙任氏は,「『Q&Aにもとづいた世界最大の情報仲介』となることにより,あらゆる人のあらゆる疑問を解決し,あらゆる望みをかなえられる場を提供する」ことを目指す。世の中では,だれかが何かで困っている。それを専門家が答えるのではなく,インターネットという媒体を通して一般の経験者が答え,疑問を解決することができることで,世界平和につながることを使命としている。
オンライン書店「イーエスブックス」のイー・ショッピング・ブックス代表取締役社長・鈴木康弘氏は,「本を通して,人々がつながること」をモットーとしている。オンライン書店の中に置かれた「みんなの書店」は,子供のころ「本屋さんになりたい」と考えたことのある人たちの夢をかなえる空間である。一般の書店では,自分が並べたいように本を並べることはできないが,ここでは好きなように並べられる。自分が紹介した書籍の著者から直接メールが届くような「出会い」もあるという。「お客と一緒に作るサイトにしたい」と鈴木氏。
以上の4氏に加え,パネルディスカッションでは,ワン・トゥ・ワン・マーケティングの第一人者であり,印刷業界にも関わりの深い和田昌樹氏をお迎えし,顧客満足を持続し定着してもらうための手法,メディアビジネスの今後の可能性などについて,多角的にディスカッションを繰り広げる。皆様のお越しをお待ちしています。
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