「honto」会員300万人突破

掲載日:2015年12月3日

大日本印刷系列のリアル書店と電子書籍ストアのハイブリッドサービス「honto」の会員が2015年9月、会員300万人を突破した。リアル書店とネットストア・電子書籍ストア共通のIDを付与し、共通のポイントやサービスを提供することでハイブリッドな読書環境を提供してきた「honto」。3チャネル利用顧客の購入金額は平均の3.4倍と書籍全体の売り上げを押し上げた。

ハイブリッド書店「honto」は大日本印刷、NTTドコモ、丸善CHIが共同出資して設立したトゥ・ディファクトが運営するハイブリッド書店。2012年5月のサービス開始以来、毎年100万人のペースで会員数を増やし、2015年9月には300万人を突破した。
数ある電子書籍ストアの中で、hontoの特徴の1つはリアル書店のポイント等のサービスが使えること、大日本印刷系列のジュンク堂書店(44店舗)、丸善(27店舗)、文教堂(77店舗)の各店舗でポイントサービスが受けられる。リアル書店の在庫や位置を検索したり、購入した電子/紙の本を一元管理できるアプリ「honto with」が使えるのも便利だ。ブックオフの買い取り依頼でもポイントが付与される。リアル書店や中古書店での顧客接点のある大日本印刷グループならではの強みで、実際に入会ルートの70%は店舗経由である。

しかし、honto好調の最大の理由は電子書籍ストア「honto」単独のサービスの質だろう。hontoの品揃冊数は約51万点で、これは凸版印刷グループのBookLive!(約39万点)、アマゾンのkindle(約34万点)、楽天のkobo(約30万点)を上回る。ICT総研による調査(2013年度の電子書籍コンテンツ需要予測に関する調査結果)でも、hontoの満足度は75.3%とトップになっている。

ネットストアがリアル書店の顧客を奪うのではないかという議論があるが、電子書籍ストアのサービス提供は、確実に全体の売り上げを押し上げている。リアル書店・ネットストア・電子書籍ストアの3チャンネルを利用している会員の購入金額は、平均よりも3.4倍。購買金額の多い上位10%の会員の30.1%が複数チャネルを利用しており、コアな本好きの囲い込みにつながっていると思われる。

アマゾンの2014年書籍売上は推計3300億円で、出版市場の約20%を占めていると思われる。ネットストアの中でアマゾンが独走するなか、リアル書店との連動は大きな差別化要因だろう。紀伊国屋書店ウェブストアや、カルチュア・コンビニエンス・クラブや三省堂書店と提携する凸版印刷グループの「BookLive!」の動向にも目が離せない。

(JAGAT研究調査部 光山 忠良)