動画制作を切り口にビジネスを広げる

掲載日:2016年1月18日

スマートフォンやデジタルサイネージの普及により、動画はプロモーションになくてはならない存在になった。

共感と共有を生む動画

主要企業の66%が自社サイトに動画を掲載しているという。企業ブランド向上にせよ、商品の説明にせよ、今や動画はプロモーションに欠かせないメディアとなった。
動画プロモーションにおいては様々な議論がある。数秒のインパクトのある映像で「バズらせる」(口コミで一気に話題を沸騰させる)必要があると説くマーケターもいれば、尺にこだわらず「泣かせる」コンテンツでユーザーの共感を引き出すべきだと説くメディア識者もいる。しかし「バズらせる」にせよ「泣かせる」にせよ、キーワードは共有である。これは文字通りSNSでシェアしてもらうという意味でもあれば、顧客に共感を訴えるという意味でもある。
テレビCMのようにマスに訴える動画はリーチしやすいが、誰でも知っているコンテンツはシェアされにくい。思わず友達に知らせたくなるような仕掛けが求められる。最近よく使われるのはテレビCMのサブストーリー・あるいはマルチストーリーである。CMのメイキング映像やCMでは伝えきれなかった商品説明などのサブストーリーを企業サイトに掲載すれば、CMを観てわざわざ検索してくれた消費者のロイヤリティをますます高め、インフルエンサー(口コミの発信者)となってくれるだろう。一方テレビCMとは異なるマルチストーリーも面白い。テレビCMとは異なるエンディング、あるいはスピンアウトしたストーリーをアップするのも手段としてあるだろう。

VR技術が一大ブームに

「共有」と「共感」にもう1つ加えるとすれば「体験」だろう。ヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)を眼に装着すると、映像が頭の動きと連動して見えることで疑似体験ができるVR(バーチャル・リアリティ)は注目である。
各社からヘッドマウントディスプレイが発売され、VR用撮影カメラや制作ソフトも安価になりつつあり、制作環境も整ってきている。例えば美術館やアミューズメント施設、景観地などをVRで疑似体験することは、海外を含めた遠方からの来場促進につながる。レーシングカーやジェトコースターの疑似体験も企画として面白い。
注目はスマートフォンを装着するVRHMDである。紙製の安価なVRHMDに自分のスマートフォンをはめ込むだけでもVRが体験できる。展示会やイベントなど商用の活躍シーンも広がる。紙製のVRHMDを販促ツールとして提案することも可能だろう。
VRは20年以上にわたって可能性が議論されてきたが、いよいよアイデアに技術が追い付いてきた。3DCGもますます高度になっていくだろう。

印刷との連動

印刷会社は顧客接点やこれまでの画像処理技術を強みに、動画制作の提案を積極的に行っていく必要がある。動画制作の提案を切り口に印刷受注につなげることも、動画と印刷物を連動させたキャンペーンを企画することもできるからだ。例えば自動車のカタログにQRコードを付ける。自動車のユーザーは長年カタログを所有する傾向がある。そのカタログにQRコードを付ければ、ユーザーは常に最新の自動車の動画とアクセスできる。そのことによって、次の新車の購入にもつなげることができる。
印刷と動画の両方のノウハウを持つ先行者から学ぶことも多い。制作と企画提案のノウハウを蓄積して、あらゆるメディアを横断したプロモーション提案を行うべきだろう。

(研究調査部 光山 忠良)

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