花開いた技術と、幻となった技術ープレイバックdrupa2004-

掲載日:2016年4月28日

今年はいよいよdrupa 2016が開催されるが、新技術のお披露目会である展示会の側面上、普及する技術もあれば、そうでない技術もあるだろう。

drupa2004の世界はどこまで実現したか

手元に『04ドルッパの新技術と今後の展望』(泉和人著/ニチイン企画発行)という書籍がある。今さら12年前のドルッパのレポートなんてと思いがちだが、読んでみるとなかなか面白い。後に花開いた技術、そして忘れ去られてしまった技術が紹介されているからだ。
drupa 2000で注目されたDI印刷機(ダイレクトイメージング=ユニット上で刷版する印刷機)であるが、2004年のdrupaでもハイデルベルグ、KBA、桜井、スクリーンなど各社から発表されている。特に注目を浴びたのがオフ輪のユニットに刷版装置が付いたマンローランドの「DICOウェブ」だった。このDIオフ輪、当時話題の可変サイズオフ輪でもあり、シリンダーを交換することでA/Bのどちらのサイズにも対応する。しかし、シリンダー交換にはクレーンを使い、1時間かけて交換するのだという。すでにこのころにはドイツとスイスの新聞社で稼働していたようだ。オフ輪の生産性、DIの効率性、可変サイズの柔軟性をすべて追求した技術だったが、今では市場で見ることはない。
CTPドルッパといわれたdrupa95から9年経っているが、CTPも過渡期だったことがわかる。従来のPS版を露光できるCTCP(コンピューター・トゥ・コンベンショナル・プレート)や、インクジェットでコーティングしていないアルミプレートに液体ドットを噴射するインクジェットCTPも発表された。また、サーマルからバイオレットへの移行の兆しがみられると指摘した識者も多かったようだ。プロセスレスプレートもアブレーション方式に代わって機上現像方式やガム洗浄方式が発表されている。
もちろん、実を結んだ技術もたくさんある。デジタル印刷機も紛体トナー機、液体トナー機、インクジェット機とも高速化が進んでいる。オフセット印刷機もダイレクトドライブ、両面専用機、超大判(2050㎜×1510㎜)印刷機、インラインフォイラーなどが披露されている。

真の技術革新を見極める

drupa2004は「JDFドルッパ」とも言われた。12年経った現在、当時の予想のようにスムーズにワークフローの自動化が進んだとは言い難い。しかしJDFという単語自体は後退したものの、ワークフローの自動化はdrupa 2016でも大きなテーマとなるだろう。
今回も初披露となる技術が多数出展されるだろう。印刷技術のトレンドを読みつつ、真の技術革新とは何かを嗅ぎ取った印刷会社に未来が開かれる。

(JAGAT研究調査部 光山 忠良)

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