【DTPキーワード】ページものの様式とデザインの定石

掲載日:2016年7月20日
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原稿指定や制作の作業に先だって、どのような本にするかを計画するのが造本設計である。
本文の組見本を作りながら、仕上り寸法である判型を決め、縦組、横組などの組方向を決め、その中で余白を除いた版面を決める。
判型と判面の間には章/節を表す「柱」が入る。また縦組では頭注、脚注など余白部分に組み込まれるものがある。これらの組み方のスタイルも決めておく。

判型、組方向、本文文字サイズ、行間、1 行の字詰め、1 ページの行数は相互に関係しているので、目的に合わせてそれらのバランスを見つけるのが紙面の基本デザインで、エディトリアルデザインの一部である。
エディトリアルデザインとは出版編集における視覚表現の計画および技術のことである。
企画および編集方針に従い、一貫した外装および内装の視覚演出構成を行う。出版物の最終的な視覚表現のすべてに責任を持ち、レイアウトおよびブックデザインに関して一貫したデザインポリシーを持たねばならない。
エディトリアルデザインの扱う要素は、組み文字の視覚化技法であるタイポグラフィ、描き文字であるレタリング、写真、美術絵画、イラストレーションなど表現のすべてにわたる。
エディトリアルデザインの作業は組版、印刷、製本を経て完成するもので、イメージを作るだけでなく設計図としてデータ化しなければならない。
DTPの使用はこれらの明確化に役立つ。

レイアウトデザインの役目は、図像の配置、組み合わせによってある印象を演出することである。
配置される対象同士の関係を集中・分散、形状の類似、連続・非連続、方向の揃いなどの点で考慮すると、秩序だってまとまった印象を与える。
レイアウトデザインは、どのように目を誘導するかという意図をベースに行うので、無秩序な配置は、曖昧で散漫な感じを与え、デザイン表現の効果は出てこない。

ページ内の構図は、ピラミッドのような三角形にすると安定した感じになり、上下を逆にすると不安定な感じがする。
シンメトリーな構図は、バランスがとれた印象を与えるが、単調になりやすいので、ホワイトスペースや写真の扱い方で変化やアクセントを加えることが必要となる。「非対称」の構図は斬新な印象になる。
ページ内では図形や図形の位置関係によってある力が働き、何らかの心理的効果をもたらす。安定感、不安定感、動き、流れをレイアウトによって作り出すことができる。
横組みの場合は、視線は基本的に左上から右下へ流れるので、時間や工程などの流れを表現するチャートや表組などは一般にはこの流れに沿った配置にする。
特に強調したい場合などは意図的に流れに逆らって配置するが、横組みでは一般にキャッチフレーズや見出しなどは左上に置き、ロゴタイプや社名などは下の安定した場所に置くことが多い。
配置が無秩序になると、印刷物の意図が明確でなくなる。曖昧で散漫な感じはデザイン表現の効果は出てこない。

レイアウトは偶然に頼るのではなく、グラフィックデザインの系統的な展開法を学んで活用する必要がある。
文字、図形、画像の配置を規則的に変化させるものとして、人間の感覚にとって自然な印象を受ける対数、フィボナッチ級数、螺旋、黄金分割などの原理を利用するとよい。

レイアウト定石

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年11月号より転載)

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