小ロット市場で大きな売上を挙げるデジタル印刷の事例

掲載日:2017年1月18日

デジタル印刷機を駆使して、小ロット市場で大きな売上を上げるヒントを、2月9日のpage2017カンファレンス「デジタル印刷で切り拓くパッケージの可能性」で示したい。

デジタル印刷で「儲ける」には

page2017二日目の2月9日にカンファレンス「デジタル印刷で切り拓くパッケージの可能性」が開かれる。
デジタル印刷については昨年のpage2016でもカンファレンスを企画・開催したのだが、モデレーターの「デジタル印刷で儲かってますか?」「稼働率は高いですか?」との単刀直入な質問に対して、講演したユーザー会社は各社とも明確な答えが出なかったことが印象的だった。各社とも画期的なビジネスモデルを構想しているが、収益化はこれからといったところだった。
著者もデジタル印刷機のユーザー会社を何社も訪問させていただいているが、デジタル印刷が事業の柱に育っていたり、収益化している会社もまだまだ少ない。「来たるべきデジタル時代への対応策として」「提案の幅を広げるために」「単発のキャンペーン企画の仕事が多い」などの事例が多い。
「デジタル印刷機は儲かっているのか?」「高い稼働率を維持していけるのか?」…そんな疑問の答えとしても、今回のデジタル印刷機ユーザー3社(共進ペイパー&パッケージ、吉村、金羊社)は最適の事例と考えている。

売上比率でコンベンショナルに迫る事例も

共進ペイパー&パッケージは紙器・段ボールの製造会社であるが、今回登壇する鍛治川和広常務を中心に2013年、「ハコプレ事業部」を立ち上げ、iGEN4、Jetpress720Sなどのハイエンドデジタル印刷機とネット通販を駆使して、小ロットのパッケージ印刷市場を開拓した。パーソナライズ化・オリジナル化などのマーケティング・ツールとしてのデジタル印刷が注目されているが、鍛治川常務はあくまでも小ロット市場の開拓手段として考えている。設立から2年後の2015年度には早くも黒字化を達成、2016年度は売上4.5億円を見込んでいる。2016年11月にはレーザー・ダイカットの「Paper One」(SEI社)を導入、新たなデジタル印刷機も導入する。鍛治川常務には新規事業の立ち上げから黒字化に至るストーリーをお話していただく予定である。
緑茶の包装でトップシェアを持つ吉村でもデジタル印刷機が活躍している。当初はグラビア印刷機が主力だったが、Indigo機を順次4台導入、デジタル印刷事業は4年間で5倍に達し、売上構成は約4割、ジョブ数ではグラビア印刷を上回っている。主力商品の緑茶パッケージの小ロット化にデジタル印刷機で巧みに対応した事例である。同社は緑茶包装市場ではトップシェアであるものの、大手印刷会社から見れば規模は小さく、価格ではなかなか太刀打ちできない。そこで緑茶をはじめ、健康食品でもグラム単価の高い商材の包装に特化するニッチ戦略を採っている。
金羊社は近年、軟包装市場に進出し注目されているが、主力はCD・DVD・ゲームなどエンターテインメント系パッケージの製造である。同社は2016年9月、主力工場にB2デジタル印刷機を導入した。導入に至るまでのプロジェクトチームでは、生産現場だけでなく営業も参加し、営業の声も多く反映した。こちらも主力の生産機としての活躍が期待されている。
デジタル印刷機は小ロットに強い一方で、大量の仕事をこなし、大きな売上と収益を上げることが課題だった。そのため「大ロット・バリアブル」に活路を見出している動きもある。その中で小ロット市場でデジタル印刷機が大量に仕事をこなし、「儲けている」事例を示したい。

(研究調査部 光山 忠良)

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G3「デジタル印刷で切り開くパッケージの可能性」

堅調な分野として、またマーケティングツールとして注目されているパッケージ印刷。小ロット化・プレミアム化が進む中、デジタル印刷機やレーザーダイカッターを駆使して市場開拓に挑戦する各社から戦略を探る。