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『JAGAT info』2024年10月号

JAGAT info 2024年10月号表紙

特集

地域プロモーションメディア3種の成功事例と動向
―パンフレットと動画、フリーペーパーの動向―

株式会社電通 電通メディアイノベーションラボ 主任研究員 森永 陸一郎 氏
一般財団法人地域活性化センター メディアマーケティングマネージャー 畠田 千鶴 氏
公益社団法人日本印刷技術協会 研究・教育部 シニアフェロー 藤井 建人

特別企画

page2025開催予告
他団体とのコラボレーションと新企画ゾーンで「共奏」を体現

公益社団法人日本印刷技術協会 研究・教育部 堀 雄亮

連載

■マーケティング・ナウ
第24回 AIによる事業変革と、印刷産業への影響予測(2)
本間 充

■キーワード2024
推し活 専務理事 郡司 秀明

■デジ印奏論 65
開発・設計の実際とこれからの取り組み
笹沼 信篤

■経営情報
経営分析の手法 ―収益性・安全性・効率性の観点から―
株式会社GIMS 佐藤 穣

■ワールド・プリント・サテライト
ファクトチェックを巡る国際的動向
丹羽 朋子

■技術トレンド グラフィックス
ヨーロッパの印刷認証制度
〜Fograに認証制度の運営とISO活動とのリンクを学ぶ
笹沼 信篤

■デザイン・トレンド
印刷技術と素材が生きるギフト商材
第98回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024
石島 暁子

■マーケティング情報
需要分析:全体最適視点の事業戦略 ②生産方式編
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント分析による示唆
藤井 建人

■Education
印刷会社が開発する新事業・新サービス
~「印刷ビジネス開発実践講座2024」開催報告
河原 啓太

■デジタル印刷最前線
京都から世界に羽ばたくSCREEN
「思考展開」でさまざまな技術・事業にチャレンジ
株式会社SCREENホールディングス
株式会社SCREENグラフィックソリューションズ

■専務のつぶやき 43
イメージ戦略の難しさ
専務理事 郡司 秀明

■西部支社便り
「仕事の向き不向き」よりも、「どう楽しむか」
西部支社長 大沢 昭博

■森 裕司のデジタル未来塾 151
Illustratorの生成AI

■エキスパート資格
ビジネスモデルの変化とデザイン制作人材のスキルシフト
丹羽 朋子

■DTPエキスパートのための注目キーワード
PCの文字・フォント環境
千葉 弘幸

■クロスメディアのトレンドワード
気候変動リスクと印刷ビジネス
影山 史枝

■ニュースラウンジ
光村グラフィック・ギャラリー 津上みゆき展「めぐりくる時と風景」開催

■印刷経営ウォッチング

■消息

■JAGAT事業のご案内
JAGAT大会2024リアル&オンライン開催のご案内/『JAGAT印刷マネジメントブック2024』のご案内/page2025 出展のご案内/JAGAT印刷総合研究会のご案内/「DTPエキスパート学科問題演習ドリル」のご案内/「講師派遣プログラム」のご案内/『みんなの印刷入門』のご案内/図書のご案内/『DTPエキスパート・マイスターBOOK』のご案内/『新版 DTPベーシックガイダンス』のご案内/『DTPエキスパート受験サポートガイド』のご案内/「よくわかる印刷技術・基本コース」のご案内

2024年10月15日発行 A4判60ページ オールカラー

JAGAT info 最新号

JAGAT info バックナンバー

地域プロモーション動画とロングテール視聴

国としても大きく力を入れている地方創生。日本の各地域にある地域資源を国内外に広く訴求することで日本のブランド力を高めていく必要があり地域プロモーションは重要になる。

地方創生推進交付金として平成30年度は1,000億円、平成31年度はそれ以上の予算がつく可能性もある。そうした補助金も背中を押してか、近年自治体が地域プロモーションの一環としてPR動画やWebサイトSNS等に力を入れている。

動画に至ってはミニドラマやコミカル仕立ての等、クオリティーと話題性の高い動画も多い。別府市のシティープロモーション動画は「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」を展開し、500万を超える視聴回数やPR効果として広告費換算で推計約104億円とも言われている。

一方、補助金が後押しし、数百から一千万円の制作費をかけた映像品質の高い地域のPR動画は世の中に排出されている。しかし、その多くは視聴数や話題が得られず制作費に見合わない。その要因として大きく二つが考えられる。

1)動画を制作することが目的になる

2)1本の動画では多様化したニーズ(ターゲット)に対応できない

本来、動画を制作する目的は、「地域ブランディング」「観光PR」「移住促進」等、各地域が抱えている課題を解決することにある。しかし、他の自治体より「カッコ良い」「おもしろい」「映像表現が豊かな」動画を制作したい。とにかく視聴数を稼ぎたい。SNSでバズりたいなど、目的が動画を制作することに変わってしまい失敗するケースが多い。

次に、生活者のニーズが多様化していることで、1本の動画で地域全体の情報を発信しても視聴者の心には響かず効果が少ない。例えば、観光PRを目的とするならば、食だけでもスイーツ、お酒、魚、肉など様々であり、観光スポットも四季によってお勧めできる場所は違う、それらを求めているターゲットも違う。それを一本の地域プロモーション動画で効果を得ること自体無理があると言っても良い。

地域プロモーション動画の効果を高めるには、1テーマや1ユーザーごとに動画を制作することが解決の糸口になる。動画のテーマを細分化することで、見て欲しい人にじっくり見てもらえることができる。観光PRとして食をテーマにするのであれば、居酒屋特集、お勧めカフェめぐりなど、各々に興味がある人は動画をじっくり視聴するし、観光地へ訪れる可能性も高い。細分化することで1本1本の動画の視聴数(量)を得ることはできないが、見て欲しい人(質)に見てもらえる。また、テーマやターゲットに応じて動画を制作するため、それぞれの視聴数を足し合わせれば大きな視聴数を得ることもできる。最近はこうしたロングテール視聴を獲得する考え方も増えている。

一方、課題としてテーマに応じて動画を制作する上でのコストの問題がある。そこは地域としてのブランディングの考え方にもよるが、必ずしも何百万円もする映像品質の高い動画をつくる必要はない。むしろ、スマホ動画でも必要にして十分な映像品質があるため、自治体や地元の企業、市民の人々で等身大の動画を制作する方が、視聴者に伝わる場合も多い。また、最近地域の魅力として重視されているのが「人」である。特産物や観光スポットは勿論貴重な地域資源であるが、地元の人やその生活観、訪れたときのコミュニケーションを求められているケースも多い。その意味でも地元が一体となって、等身大の動画をつくることに意味がある。

印刷企業も長年地元と培ってきたネットワークや情報を保有している。そうした情報は地域プロモーションをする上で非常に重要であり、等身大の地元を訴求する担い手になれる。地元の印刷会社が中心となり地域プロモーションを支援していくことがより求められる。

CS部 塚本直樹

<page2019セッション>
【S3】2月6日(水)15:45~17:45
動画のクロスメディア活用による効果的な地域プロモーション

【S5】「SNS×地域プロモーション」 ~効率的な情報発信と効果的な集客手法
【PM1】地域活性ビジネス①地域の課題解決による新たな価値の創り方
【PM2】地域活性ビジネス②産業観光による地場産業活性の可能性