2/6のpageカンファレンスでは、持続成長する印刷会社の経営者を招いて収益性と成長性の両立をテーマに、経営指標の見方の面から議論する。利益を確保するための経営管理と、創造性を発揮して持続成長する経営管理は何が違うのかーーー。
2/6のpageカンファレンスでは、持続成長する印刷会社の経営者を招いて収益性と成長性の両立をテーマに、経営指標の見方の面から議論する。利益を確保するための経営管理と、創造性を発揮して持続成長する経営管理は何が違うのかーーー。
「時間当たり付加価値」は京セラのアメーバー経営で重視されている経営管理指標として知られている。働き方改革で脱・長時間労働の機運が高まるなか、「見える化」に取り組む印刷会社においても重視されつつある。
付加価値とは売上―変動費という式で表されるが、変動費に該当する経費を何とするかは、いくつか考え方がある。というか目的によって異なってくる。
印刷業において二大変動費といえるのが、用紙代と外注加工費である。一般的にこの二つが売上に占める比率は40%から60%程度である。用紙代と外注加工費は、比較的容易に受注と紐づけることが可能で把握しやすいので、管理会計で簡易的に日次の付加価値を計算するときには、この二つを変動費として計算することが多い。
その他の変動費として、刷版代や配送費、インキ代、商品仕入れ(ノベルティ商品の仕入など)などがある。月次や年次で付加価値を計算するときには、財務会計でこれらの数字を取り出して計算する。
この付加価値と総労働時間で割ったものが「時間当たり付加価値」である。売上や残業時間が増えているのに付加価値の伸びが伴わないときは要注意である。また、時間当たり付加価値と時間当たり人件費を比較すればわかりやすいKPI指標となる。付加価値以上の給料を払うことはあり得ないからだ。
変動費を文字通り仕事量に応じて変化する費用として考えれば、残業代、電力代、あるいは日常的に発生する消耗品も変動費としてみなすことができる。具体的には、CTPの現像液、印刷のブランケット、湿し水添加剤、ウエス、手袋、断裁機の刃、プルーフのインキや用紙、PODのトナー代やカウンターチャージ、梱包用資材などである。
付加価値向上をつき詰めていくと、これらの経費まで「見える化」する必要がある。「見えない」ものは管理(コストダウン)できないからだ。
ところが、これらの経費を手間をかけずに集計できる仕組みがある印刷会社は多くない。消耗品関係は、発注するときに使用部門や用途はわかっているはずなのだが、発注処理は電話やFAXなどのアナログ処理でデータ化されておらず、経理処理するときには経理担当が請求書の明細を見ても内容がわからず、仕入先単位でまとめて処理しているようなケースが多い。
使用頻度の高い消耗品などはシステムにマスター登録しておき、システムで発注処理(発注書の発行)を行うことで、発注日、発注数量、発注金額がすぐに把握、集計できるようにしておきたい。
(研究調査部 花房 賢)
JAGAT「見える化実践塾」での取り組みを踏まえて、「見える化」による収益改善プロセスを紹介する
見える化に取り組みたいというある印刷会社の取締役とお話しをする機会があった。
とても印象に残っている言葉がある。
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短期間での「見える化」を実現!
”やり切る”サポートと取り組む企業の相互交流と
自己研鑚の場をつくります。
「見える化」という言葉は印刷業界にかなり浸透していますが、実践できている会社はまだ多くはありません。
その原因、ハードルとしては、
などが挙げられます。
本研究会では、座学と見学会、実践と発表を繰り返し、「見える化」のつまずきポイントを洗い出し、課題解決に向けて後押しします。
概要 | |
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日時 | 2019年4月スタート(1年間)。基礎会員:全5回(8日間) |
受講対象 | JAGAT会員企業様限定 従業員数 20名から100名程度 MISをすでに導入していること (自社開発でもパッケージソフトでもかまいません) |
定員 | 限定5社。1社4名まで参加可能 |
受講料 | 1社 800,000円 ※料金は税別、宿泊費、交通費、懇親会費別。 ※社内での実践を推進するために1社4名様まで参加できます。 ※4名を超える場合は、1名増えるごとに5万円をいただきます。 |
会場 | 大東印刷工業株式会社(東京) 株式会社アサプリホールディングス(三重) 作道印刷株式会社(大阪) 公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム |
本研究会では、寄り添うトレーナーの役割をJAGATが、そして、時には厳しい叱咤激励を行うご意見番として先進企業3社の社長が担当します。
成果発表日を最初に設定
実現の期限を決めて必ずやり切る
というスタイルをとります。
座学と見学会、実践と発表を繰り返しながら 「見える化」のつまずきポイントを洗い出し、「できない理由」ではなく「どうしたらできるか」をとことん追求していきます。
佐竹 一郎 氏
(大東印刷工業株式会社 代表取締役)
松岡 祐司 氏
(株式会社アサプリホールディングス
代表取締役社長)
作道 孝行 氏(作道印刷株式会社 代表取締役)
■基礎会員
第0回 事前準備 | |
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自社の現状分析と課題抽出 | ヒアリングシートの記入 |
決算書3期分の提出 | 簡易財務診断 |
第1回 見える化の進め方を理解する(一泊二日) | |
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日時 | 2019年4月18日(木)-19日(金) |
会場 | JAGAT研修室 (東京都杉並区和田1-29-11) |
発表 | ・自己(社)紹介 ・自社の現状(概要)と目標発表 |
講義 | 1)「見える化」が求められる背景 2)管理会計と財務会計 3)個別原価管理を実現するには 4)時間コストの算出方法 5)先行管理に向けて(「目標達成見える化シート」の運用) |
課題 | 「見える化チェックリスト」の作成 |
宿題 | 利益計画検討表をつかったシミュレーション |
第2回 先進見える化企業の視察①(一泊二日) -全員経営を理解する | |
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日時 | 2019年6月20日(木)-21日(金) |
見学 | 株式会社アサプリ様 (三重県桑名市安永923) |
発表 | ・「見える化チェックリスト」に基づく自社の現状分析と課題抽出 ・自社の取組みスケジュール発表 |
講義 | 見える化と理念の共有による全員経営(松岡社長) ・社員のベクトルのあわせ方(理念の共有とは何か) ・管理職を部門経営者にする会議運営 ・必達できる売上目標の作り方 ・ITを駆使した営業支援、ナレッジ共有 ・働き方改革の取組み |
宿題 | 1)作業日報のシステム化 2)自社の時間コストの設定 |
第3回 先進見える化企業の視察②(一泊二日)-徹底と継続の仕組みを学ぶ | |
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日時 | 2019年8月 |
見学 | 大東印刷工業株式会社様 (東京都墨田区向島3-35-9) |
講義 | 見える化から始める収益改善~社員ひとりひとりに個人事業主意識を~(佐竹社長) ・改革を推進するリーダーシップ ・印刷タクシーメーター(MIS)の運用 ・やる気を引き出すインセンティブ制度 |
発表 | 中間報告(1) ・各社の課題を共有。「できない理由」の真の原因を明らかにし、 解決方法を議論 |
宿題 | 発表内容をもとに各社個別に設定 |
第4回 先進見える化企業の視察③(一泊二日) | |
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日時 | 2019年10月 |
見学 | 作道印刷株式会社(東大阪市水走1-12-20) |
講義 | 進化(深化)する「見える化」(作道社長) ・「見える化」を収益改善につなげるマネージメント ・営業プロセスの見える化による受注拡大 ・改善活動を支える公平な評価制度 |
発表 | 中間報告(2) |
宿題 | 発表内容をもとに各社個別に設定 |
第5回 最終報告 | |
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日時 | 2020年2月 |
会場 | 池袋サンシャインシティ文化会館 会議室(東京都豊島区東池袋3-1-4) |
発表 | 各社の結果報告 |
※カリキュラムは一部、変更となることがございます。
お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3168までFAXにてお送りください。
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430
研究調査部 花房(はなふさ) 電話:03-3384-3113
ご案内パンフレットはこちら
管理部(販売管理担当) 電話:03-5385-7185(直通)
公益社団法人 日本印刷技術協会