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以前のように検査にコストがかけられない現在、印刷会社における品質管理はより効率化が重要になってきた。
先日、印刷会社に訪問する機会があり、製造現場でお話を伺った。
現場では、「お客様がデータを作成することが多くなったが、やはり印刷適性に合わない、いわゆる不具合データが多い」ということである。
具体的には、データ上では線幅が0(ゼロ)に指示されており、たまたま社内のインクジェットプリンタで出力したところ線が印字されたが、最終印刷用RIPでは当然出力されず、印刷事故になってしまったという。
また、ブラック(スミ版)のオーバープリントの不具合などは後を絶たないといわれている。
要因として、皆が製造コストを何とか下げようとして、今まで印刷用DTPデータを作っていなかった(製版スキルが低い)方が手がけるようになったからだという。
例えば、デザイナーがDTPデータまで作るケースも多くなり、その結果、不具合データが増加するだけではなく、副作用として本来のデザイナーの役割であるクリエイティブの作業にも影響しているのでは!との懸念もあるという。
検査体制については、機械やシステムに任せる部分(機械が得意なデジタル上の差異検出など)は機械に任せ、人間しかできない部分のみ人間が担っていくことがポイントになる。
以前のように検査にコストがかけられない現在、いかに効率的に品質管理を遂行できるかが印刷会社の重要事項になる。
例)事故対策は何をしていますか?
1.各工程での管理体制(チェック項目、チェックリスト)
2.ミス・トラブル分析(リスト化、対策考案)
3.ミス防止のための予防処置(対策の見直し)
4.人材教育(スキルマップ・作業分析指導・理解度テスト)
■関連情報
PAGE2011
2月3日 S8 ・DTPに効く事故防止ポイント
2月4日 S14 ・印刷会社の品質管理と事故防止