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テレビCMなどマスメディア広告が消費者に届かなくなっている。企業側の一方的な情報発信ではなく、消費者の心をつかむ「消費者のための情報」としてWebサイトや紙媒体などで届ける仕掛けが重要だ。
先日、ある会社の社長から興味深い話を聞いた。
この不景気なご時世でも流行っている場所は必ずあるのだそうだ。
そこは、その企業の近くにある公営の室内プールである。
これまでは9時からの開場だったが、民間委託により4月から7時に時間を変更した。これが功を奏して、今ではチケット販売機に列ができるほどになったとか。
そういえば先日の新聞でも、早起きして家事やスポーツに励む「朝型」の割合が30代女性の78.1%を筆頭に高くなっており、全体でも朝型60.2%、夜型9.0%と報じられていた(NTTアド東京調査)。
「朝から身体を鍛え、スッキリとした気分で出社したいと考えていた顧客のこころを掴んだんだね。
つまり、顧客にとってはただ泳ぐためのプールではなく、朝から頑張っている自分を発見する場所が欲しかったのでしょう。」とお話しされたファンサイト の川村隆一氏。
「流行る」には必ず理由がある。「泳ぐための場所」だけではない何かを提供したからだ。自分にとって意味ある物語を醸成できる場を提供したからだという。つまり、個々人のこころの内側(インサイト)に針がかかったのだ。
創業100周年を迎えたアサヒ印刷株式会社は、事業内容拡大に伴い、2010年に社名を変更した。
新しい社名は、アサヒコミュニケーションズ 。
常務取締役の新井貴之氏は「私たちは、お客さまに対して”ただ印刷して納めるだけ”の印刷会社はやめました。
お客さまの困りごとを、お客さまと一緒に解決する……そんな会社を目指します」と語る。
さまざまなお客さまの「売上げアップや集客アップ、業務効率化のため」にユニークな企画やデザインを提案する。最終的にそれらを印刷物やWeb、販促ツール、広告、システム構築、デジタル化などへ落とし込んでいくのだ。
同社が手掛ける情報発信サイト「デンリュウサイタマ 」は埼玉県の地域密着型ポータルサイトのナンバーワンを目指している。
「埼玉64市町村で開催されるあらゆるイベントを掲載し、埼玉人、埼玉好きが綴る埼玉コラム・ブログを展開中です。ココでしか手に入らない情報が多数あるのが強みです」と新井氏。
これからの企業に必要なのは、「その企業や商品が好きでたまらない人たち」つまり「ファン」だとお二人は言う。企業が自社のファンを見つけ、ユーザー側も自分の好きな商品や商品を作ってくれる企業を見つけることができる幸せな関係を築くことが必要だ。それには上手なマーケティングが欠かせない。
2011年2月4日(金)PAGE2011会場でお二人がセッションを行います。
テレビCMなどマスメディア広告が消費者に届かなくなっている今、企業側の一方的な情報発信ではなく、消費者の心をつかむ「消費者のための情報」としてWebサイトや、紙媒体などで届ける仕掛けが重要になってきています。
企業のWeb制作に長年携わってきた川村氏がサイト分析とマーケティングの方法、消費者と密接に関わるビジネスツール作りの取り組みについて解説します。
続いて新井氏が、集客力アップ、販売促進、情報発信など印刷会社の枠を超えた取り組みとその背景を現場の視点でお話します。
2011年2月4日(金) 9:45-11:45
ユーザーの心をつかむWebマーケティング(印刷プラスαの取り組み)