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ハイダイナミックレンジ合成とは、通常の写真技法に比べてより幅広いダイナミックレンジを表現するための写真技法の一種といわれているが・・・・・・
ハイダイナミックレンジ合成とは、通常の写真技法に比べてより幅広いダイナミックレンジを表現するための写真技法の一種といわれているが、本来はアイキャッチされた部分にフォーカスして再現する技法として発達してきた。つまり大事なところがしっかり写るようにレタッチする技法がHDRの出発点だったのである。
通常の撮影は写真全体が適正露出になるよう撮影を行う。そのため、明暗差が大きい場合には、太陽などの飛び抜けて明るい部分は白く飛び、暗部は黒く潰れてしまう。従来は切り抜き合成で、露出の異なる写真を合成してしのいできたのだが、製版工程(DTP工程)での手間がかかり過ぎ、作業効率を落としていた元凶であった。
また人間は感情を持って写真を見ているので、自分や家族が写っていて、且つ顔が真っ暗だったら理不尽にその写真の評価は落ちてしまう。そんなシーンごとにアイキャッチされる(重要な対象)場所だけの画質改善をするのが前述したようにHDRの開発動機だったのだ。元々ハリウッド中心に開発された経緯があるというのは、映画の主演女優がハッキリ写るように、少々物理法則を無視しても、そちらの方が観客には心地良いからなのである。
この技術がPhotoshop等に活かされ、HDR合成が身近になってきたのだが図1をご覧いただきたい。
RAWデータから基本設定で現像すると図1の様な逆光、日陰のような画像になってしまう。これをRAWデータから特別なパラメーターでHDR合成してやると図2のようなレフ板や補助光を使用したように光が回った仕上がりになるのである。これをRAW現像時のコントロールやPhotoshopの明るさコントロールだけで修正してやると図3のような結果が限度である。やはりやっかいな切り抜き合成がどうしても必要になってしまう。
(図1)
(図2) (図3)
もちろん単純にHDR合成してやるとソラリゼーションのような特殊効果になってしまうが、ちょっとしたノウハウで普通の仕上がりにすることが可能だ。
PAGEカンファレンスG1 「HDR合成が変えるレタッチ、画像表現の世界 」ではこの辺のノウハウについて具体的に伝授する。切り抜き合成に比べたら手間暇は一桁軽減されること請け合いである。
■PAGE2011
2月2日(水) G1「HDR合成が変えるレタッチ、画像表現の世界 」
2月4日(金)
S09「儲かる画像データ分析とレタッチ実践 」