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印刷会社は顧客視点によるビジネスの組み立て直しや、印刷物製造からメディアビジネスとしての転換が迫られている。
印刷物をどう作るのかではなく、なぜその印刷物を作るのか。そして、納品された後、印刷物がどう使われるのか、顧客視点のビジネスを展開する必要がある。
ITの発展によって企業・組織の情報発信におけるメディア選択の多様性はますます拡張している。
これまで印刷業界で起こっていた変化は、受注、制作、製版、印刷、製本、納品といった閉じたバリューチェーンの中であった。しかし、現在の著しい情報技術の変化、経済環境の変化は、印刷業界の外側で起こっている。
従来は
・お客様のオーダーに忠実にこたえることで必要十分であった
・印刷業を取り巻く市場は「勝手に」伸びていた
今後は
・「正解」は示されず「共に考える」ことが必要
・100社100様のあり方を認めることが重要
・顧客の顧客まで考えることが不可欠
であろう。
つまり、単純な相見積もりは消え、
・提案内容が付加価値を持つ=価格競争回避
・提案が無い=徹底的な価格競争
になっていくことが予想される。
こうした環境下で、自社の強みをどこに置くのか、実現するためにどういった人材を育成すべきなのか考えないとならない。
今後、印刷産業を支えていく人材は、業界の内部つまり閉じた発想にこもるのではなく、より外側へ目を向けていかなければならないと言えよう。印刷物をどう作るのかではなく、なぜその印刷物を作るのか考える必要がある。そして、納品された後、印刷物がどう使われるのか、お客様にどのような結果を提供できるのか……、想像力を身に着ける必要がある。
■PAGE2011で開催する関連セミナー
2月4日(金) 15:15-17:15
S13 これからの印刷経営の進め方
【主な内容】
・印刷業界で今起こっている変化
・ビジネスモデルのバリューチェーンとは
・ビジネスの変革に必要とされる意識
・今すべき人材育成とは
・必要とされるリーダーの資質
・まとめ