本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
映画「ソーシャル・ネットワーク」が日本でも公開されて、興行収入1位を獲得している。アカデミー賞の前哨戦でもあるゴールデン・グローブ賞を受賞したことで話題性は充分。
Facebookの裏側を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」は日本でも公開になったが、初登場1位を獲得している。アメリカでもIMDb によれば製作費概算が4,000万ドル、現時点でのUSAグロスが9,400万ドル強であり、製作費は回収済み、ワールドグロスはこれからだが、まだ数字を伸ばすかと思われる。
ただし昨年の「アバター」に比べると5倍ほど規模が違い、なおかつ「アバター」はロングヒットを飛ばしたことを考えると、ユーザ数5億を超えるFacebookというネタにしては、いまいち伸びが緩やかではある。
Facebookの裏側を描いた、という時事的なところとユーザ数5億というところと、あまりマッチしなかったのは、Facebookの裏側を見たいかどうかというところなのだろう。twitterの裏側を見たいか?とか、グルーポンの裏側を見たいか?とかいうことと同じ。(グルーポンの裏側はちょっと見てみたい)
人々の知りたいことは、Facebookで儲かるのかということだろう。プロモーションに使えるのか、マーケティングに使えるのか。果たして、お金を落とす顧客となる人が、Facebookに滞留してるのか?という問題もある。
twitterマーケティングに関しては昨年まで色々と喧伝されていた。クロスメディア研究会でもテーブルマーク(加ト吉)の末広氏(現在は丸亀製麺に移籍)にお話しを伺ったが 、氏の挙げた例は印象的だった。
ある冷蔵庫を販売する営業マンが、個人的にtwitterでその冷蔵庫をいかに愛しているか優れているかをつぶやいていたところ、売上があがった。なのでその営業マンの上司は全部の冷蔵庫を売れと言い出した。すると冷蔵庫は売れなくなった。
冷蔵庫は別に洗濯機でもエアコンでも何でも良いのだが、ここで大事なのは、個人がキャラをたててやると良いだとか、公式アカウントは難しいとか、そういうことではない。企業がソーシャルマーケティングをやることの難しさだ。押し付けでなく、やらされ感でなく、なおかつ社内が活性化しなければならない。
企業側もソーシャル活用の肝をつかんでいないといけないし、なおかつ、ソーシャルメディア、ソーシャルグラフの実際を理解できてないといけない。
PAGE2011カンファレンスのクロスメディアカテゴリではソーシャルもテーマに取り上げる。ここで迫りたいことは、上記のようなソーシャルの本質を理解することである。簡単なTIPSであればWebにたくさん情報はあるので、もう少し深い考察に持っていければと画策している。
PAGE2011カンファレンス
2月4日(金) 12:30-14:30
CM3 ソーシャルビジネスのインパクト
(JAGAT 研究調査部 木下智之)