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製造工程のヒューマンエラーが多い現実のなか、とにかくルールを徹底すること、電車のようにレールを敷かない限り事故は撲滅できない。
印刷会社では、印刷事故の撲滅が永遠の課題になっているケースが多い。現に私も印刷会社のプリプレスを任されていたころ、約50人のオペレータが昼夜作業をしている環境のなか、毎日のようにクレームや印刷事故を含め不具合の報告があり、生きた心地がしなかった経験を持っている。
なぜ、トラブルや事故が起きてしまうのだろうと必死に考えていた。スキルの有無や性格的な向き不向きもあるのは当然である。例えば、漢字を知らない人が文字入力のオペレータであったり、色の差が分からない人が画像処理オペレータでは、効率が悪くなり、危険度が増すのは当たり前である。
しかし、適材適所がうまくいくとは限らず、限られた人材で勝負するしかない。例えば、電車はレールが敷かれ規則正しく運転するので事故がない(現在は若干あるが…)。一方、自動車は車線はあるものの運転手が自由に方向、速度を決められるので、その自由度から電車に比べ事故が圧倒的に多くなるのである。
それでは、印刷会社も電車のようにレールを敷きつめルールを徹底することにより、印刷事故を0(ゼロ)に近づけられるだろう。そのためには、オペレータが作業しやすい環境であるレール作りと、運転者であるオペレータ自身のスキルアップ、人材育成が重要である。
具体的に、レールを敷くということは、マニュアルを作成したり、オペレーションの標準化、ルールを徹底することである。実際トラブルを分析すると、圧倒的にヒューマンエラーが多いのが現実である。オペレータは、自由に操作できるので、できるだけ標準化した作業に近づけ、ルールを徹底することが必要になる。「言うは易し行うは難し」ではあるが、とにかくレールを敷かない限り、事故は撲滅できない。
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