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印刷物製作が低迷する環境のなか、印刷営業には従来の受注型ではなく顧客のための提案型スタイルに変革する意識と技量が求められる。
情報加工産業というべき印刷業界は、顧客の要望の変化にも対応していく必要がある。従来の受注型のスタイルではなく、顧客の要望を捉えたうえで、課題解決に向けた提案型ビジネスが必要な時がきた。
顧客の要望に対応し、その意向や指示を現場に適切に伝達する従来の仕事はもちろん、顧客の真の要望を実現する提案を考えるには、印刷の基礎をはじめ周辺のデジタル知識の基礎を持つことが不可欠である。とくに、営業部門は顧客と直接やり取りするので、印刷会社にとって重要ポイントになる。
また、顧客の知識レベルや要求レベルも上がっており、新しいメディアや技術に興味を持つ機会が増え、それらに対するサポートも重要な業務になっている。そのような環境のなか、「よく分かりません」「知りませんでした」では、仕事の受注どころか顧客の信用を得ることさえできない時代だ。
まして、「デジタルが苦手」なんて言っていたら明日のビジネスはない。これらのノウハウを駆使し、今後の業務拡大に役立てる必要があり、そのためにはまず最低限の基礎知識がないと話にならない。
例えば、紙だけの視野ではなく、売上を伸ばすための周辺ビジネスの開拓や同じ紙でもDM(ダイレクトメール)、チラシ、カタログなどツールの使い分けなど、顧客の要望に沿ったツールがあるはずだ。それらを提案、アドバイスできる技量、器を身につけたい。また、身につけなければならない時代がきた。
蛇足であるが、顧客の売上げや儲け、顧客の属する業界の特徴や動向などを知らないで、顧客に通い仕事をもらっているなら、デジタル業務の基礎知識を得る前に顧客情報を身につけないと、顧客がいつ離れても何ら不思議ではない。