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2月4日(金)PAGE2011の会場で「これからの印刷経営の進め方」セミナーが開催された。その概要を報告する。
「いま、もし印刷技術を核とするビジネス領域に参入するとしたら、この市場はどう見えるだろうか」と佐々木雅志講師。
ファイブフォース分析(市場の5つの競争要因から、業界の構造分析、魅力度を分析する手法)を試みると、印刷会社にとってのこれまでの強みが、顧客にとって意味をなさなくなってきていることが分かる。
印刷市場は成熟し切っている。印刷物そのものだけでは差別化できない。成熟した市場で重要なのは「商品」ではなく「需要の開発」なのだ。
印刷会社は顧客視点によるビジネスの組み立て直しや、印刷物製造からメディアビジネスとしての転換が迫られている。
これからの印刷業界は、新しい土俵、業際でのビジネスに変化していくだろう。
従来は
・お客様のオーダーに忠実にこたえることで必要十分であった
・印刷業を取り巻く市場は「勝手に」伸びていた
今後は
・「正解」は示されず「共に考える」ことが必要
・100社100様のあり方を認めることが重要
・顧客の顧客まで考えることが不可欠
付加価値の高い付帯加工から「それもできるの?」と言われるような付帯提案が求められる。
クロスメディア時代のプロモーションの一部として、より広範囲な市場、競合に巻き込まれていくだろう。
成功するポイントは「違い」を探すことである。「他社と同じ」になろうとすると失敗する。
その際に必要となるスキルは、以下が考えられる。
・お客様、お客様のビジネスに強い関心を持つこと
・お客様と雑談ができ、お客様の立場になって聞くことができる
・お客様の愚痴や悩みを聞くための「質問力」より「傾聴」「共感を示す」ことができる
・「商材開発」ではなく「需要創出」ができる
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第28期 印刷後継者・経営幹部ゼミナール
事業構造設計のための経営基本、経営戦略、経営計画の考え方を学んでいただきます。