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プロトリーフは園芸用土などの製造・販売を手掛けている会社で、培養土販売では国内シェア8割を占めている。同社では2013年1月より自社オリジナルの動画サイト「プロトリーフチャンネル」を運営している。
掲載しているのは主に植物の育て方や日常管理のコツ、植物の種類の紹介などHowTo動画が主だ。1週間に数十本が掲載され、現在の動画数は2000本近い。ひとつあたりのコンテンツは1分~2分程度の短いものが多い。
同社 田崎氏に話を伺ったところ、初期のコンテンツは、ビデオカメラで撮影し、編集して掲載していたが、2012年3月よりスタッフがiPhoneで撮影し、そのまま直接、Youtubeのプロトリーフチャンネルに掲載しているという。視聴する人が電車の駅と駅の合間の短い時間で視聴できる長さを狙い、地下鉄の駅停車時間で動画の読み込みが完了するサイズを考慮した。
さらに同社では、プロトリーフ・チャンネルへの導線として商品パッケージにQRコードを印刷するようにした。商品を購入したお客さんがQRコードを読み取ると、植物の育て方に関する動画が見れるしくみだ。園芸に関心はあるがやり方がよくわからない、というライトユーザーに対して動画でわかりやすく解説することにより、初心者でも簡単に楽しく栽培ができるようにした。
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プロトリーフの取り組みは、高い機材で本格的に撮影したものでなくても、ユーザーが求める情報であればiPhoneで撮影した動画で充分効果があるということを証明している。
Youtubeによって動画が身近なものになり、さらにスマートフォンによって、撮る側も、観る側も、いつでも気軽に動画を扱えるようになった。紙からWebへ誘導する糸口としても動画は有効な手段であり、これから動画制作に取り組むことを考えている印刷会社にとっては、iPhone動画から始めてみるという選択肢もあるだろう。
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)