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米調査会社IDCの予測によると、2011年のスマートフォン市場は前年比55%で成長、そして2015年には世界での出荷台数が10億台に到達するという。
これはかなり大胆な予測で、Androidに対する脅威としてWindows Phone 7が躍進するという予想である。Windows Phone 7については、日本での実力はまだ未知数だが、一部ではこのようにAndroidに次ぐ勢力としてWindows Phone 7を有望視する向きもあるようである。
コムスコアの調査では日本国内のおいてスマートフォン向けOSシェアはAndroidがiOSを抜いており、スマートフォン全体のユーザは1,000万人規模であるという。iPhoneが切り開いたスマートフォン市場であるといえるが、ほんの数年前から急激なブレイクがあったということである。
スマートフォンの急速な普及が進むことで、これまでのプロモーションやソリューションにも変化が起こる。これまでフィーチャーフォン(これまでの携帯電話、ガラケー)は一人一台規模で普及していたが、それがスマートフォンに少しずつ置き換わっていくとどうなるか。
フィーチャーフォンからスマートフォンへの劇的な変化はビジュアル面がリッチになり、それにあわせて高速化し、ブラウザベースのアプリケーションという発想になり、情報端末として十分に事足りるスペックになったことである。Webをみたりメールを読んだり、音楽を聴いたり地図を参照したり、といった行動が、フィーチャーフォンで出来ないわけではなかったが、スマートフォンになってすべてがリッチUIになり高速化したわけである。それまではPCで出来ること、フィーチャーフォンで出来ること、のそれぞれ棲み分けを承知しながら使っていたが、スマートフォンでは境界線が曖昧になり、PCを持ち歩く感覚になる。
アプリとデータが用意されていれば、現在地の近くでどのようなショップがあり、どのようなイベントがあり、どの友達がいるかもわかる。近くで時間限定で割引をやっている店があり、そこのクーポンを入手する。これまでPCで探したクーポンとは違い、自分のいる場所に飛び込んでくる情報である。メールマガジンを読むかといえば微妙だしクーポン情報誌を読むかどうかもわからない、だけれども時間制限枚数制限のオンラインクーポンを告知すると、近くのユーザーが受け入れ、来店する。そういうサイクルが出来上がっている。そのユーザーの中心は、スマートフォンユーザーである。そして、フィーチャーフォンからスマートフォンへ凄まじい勢いで移り変わっている。今後のプロモーションにも変化がある点を知っておく必要がある。
(JAGAT 研究調査部 木下智之)
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