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ARについてウォッチしているナレッジワークスの亀山悦治氏のブログによれば、2011年から活用事例が非常に目立つようになってき た。2012年には本格的に国内外で活用が進むのではないかと考えているということである。
ARは単にカメラ映像にデジタル情報をオーバーレイ表示することが目的ではない。五感に訴えかけるものであり、顧客接点を強化する新たなインターフェイス、見えない情報を可視化するインターフェイスを実現するものである。これにより、新たな体験価値を顧客に提供することができる。有名なところではTISSOT社の時計試着のARがある。これはマーカーがプリントされた腕時計を模したものを腕につけて体験する。PCの内部時刻が反映されるなどする。さらにここからECに繋げているので、試着してそのまま買うことも可能である。
なぜ今、ARが活気付いているか。まずはスマートフォンの普及拡大がある。そしてソフトウェア技術の進化、最後にクラウド&プラットフォームである。 クラウドが安価に提供されることで、今後はこれら変化に応じた改革が必要になってくる。ARを形成する技術としては、まずはマーカー型、画像の認識で、そしてGPS、WiFi、NFC、RFIDなどの各種センサー。これらセンサーおよび位置情報と画像認識、マーカーを組み合わせて様々なことが可能となってくる。それから顔の表情や形状認識、空間認識など、さらに壁面への投影などによるプロジェクションマッピングなどもある。
ARが活用される主な用途としては、
・電子絵本、教科書、図鑑
・雑誌、カタログ、チラシ
・商品プロモーション
・展示会、イベント
・デジタルサイネージ
・グリーティングカード、名刺
・観光ガイド
・位置情報を伴う写真共有
・ リアルな場所や物と関連させたゲーム
などが挙げられる。
まず基本的な流れとしては、新聞、チラシ、カタログの配布、郵送などによる紙媒体に情報を仕込んでおく。アプリをダウンロード、インストールしたスマートフォンをそれらの紙媒体にかざすと、商品情報やキャンペーン情報などが表示される。ここでただ表示して終わりでは なく、Webや店舗への誘導などを図ることでコンバージョンをはかりやすくなる。
サイネージとの連動でも同様に、紙媒体から店舗へ誘導し、そこでイベントに参加したりゲームに参加したりすることで、クーポンを得るなどの体験でコンバージョンを上げていくものがある。また、服の試着シミュレーションや家具の配置シミュレーション、またSNSと関連づける などして波及効果を狙うものもある。
(『JAGAT info』より一部抜粋・クロスメディア研究会)
9月のクロスメディア研究会では、国内外の最新事例についてナレッジワークスの亀山悦治氏に紹介いただくほか、Junaio(ジュナイオ)やQoncept AR(コンセプト エーアール)について各社より話を伺う。
2012年09月24日(月) 14:00-16:30(受付開始:13:30より)
スピーカー:ナレッジワークス 亀山悦治氏/
サイバネットシステム 吉川正晃氏/コンセプト 森川和正氏