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最近マイクロビデオに注目が集まっている。 マイクロビデオとは、数十秒単位の短い動画を指す。Twitterが提供しているVINE(ヴァイン)とFacebookが提供しているInstagram(インスタグラム)が有名だ。
VINEは最長6秒の短いビデオをつくったり、共有できるモバイル向けアプリである。スマートフォンで手軽に撮影でき、編集が不要なことから気軽な動画サービスとして海外を中心に利用が伸びている。アプリの国内ダウンロード数は公表されていないが、iPhone版だけでも既に1300万DLを超えており、Android版と合わせるとかなり勢いがある数字になると思われる。
このような短い動画が人気の背景にはスマートフォンの影響があるようだ。通勤途中の数分や待ち時間のヒマつぶしとして観るには数秒、長くて数十秒という尺が合っており、ソーシャルメディア上でも共有しやすい。またスマートフォン上での会話では短いテキストや写真、LINEスタンプが好まれており、ビジュアルベースのコミュニケーション手段として、VINEやInstagramの利用が増えているとの指摘もある。
マイクロビデオは個人としての利用はもちろん、企業のプロモーションツールとしても期待されている。海外と比べると国内ではまだ事例が少ないが、大塚製薬がポカリスエットのプロモーションとしてVINEでショートムービーを作成したり、ローソンがフローズンスイーツのビデオ投稿コンテストを実施するなど徐々に活用が増えている。
2013年8月にはソーシャルブックマークのDeliciousを運営するAVOSが開発した「MixBit」、国内でソーシャルランチサービスを提供するDonutsが開発した「ともらっち」などマイクロビデオサービスが次々と登場している。TwitterやFacebook、LINEが企業のプロモーションツールとして広がったように、今後は手軽で低コストな動画ツールとして、商品のPRビデオやイベント紹介、店舗内の様子を撮影するなどさまざまな場面で利用が増えていくと思われる。
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)