本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
モバイル・コンテンツ・フォーラムは2013年8月9日、スマートフォン・タブレットなどモバイルデバイス向けのコンテンツ関連市場について調査した結果を取りまとめて公表した。調査結果によると、2012年モバイルコンテンツ関連市場の合計は2兆3507億円となった。
2012年のモバイルコンテンツ市場は全体で8540億円となり、5年前と比較してほぼ倍に成長した。ガラケーの市場が前年比73%の4793億円と急激に縮小している一方、スマートフォンの市場が3717億円(前年比461%!)と大きく伸びているのが特徴だ。
スマートフォンコンテンツ市場の内訳をみると、オンラインゲームやSNS等で課金されるコンテンツなどの「ゲーム・ソーシャルゲーム等」が2607億円と最も多く、市場の7割以上を占めている。「動画・映像配信」が262億円、「音楽コンテンツ」が198億円、スマートフォン向けの電子書籍アプリやARアプリを含む「その他」の市場が650億円となっている。
スマートフォンやタブレットによる商取引を指すモバイルコマース市場は、ガラケーとスマートフォンを合わせて1兆4997億円となっている。スマートフォンの普及により、いつでもどこでもサービスが利用できるようになったことでユーザー層、利用シーンともに広がった。特に伸びが大きいのが飛行機や電車、コンサートなどのチケットを対象とした「サービス系」の市場で、6281億円(対前年比148%)となっている。ネット通販などの「物販系」は6878億円となっている。
なお、上記の市場分野には含まれていない分野としては、広告および懸賞やノベルティでモバイルを利用した販促・キャンペーンに関する「モバイル広告・プロモーション市場」、モバイルコンテンツサイト構築、システム運営・管理を中心とした「モバイル・ソリューション市場」がある。
***
印刷会社においても最近はPC向けWebサイトのモバイル対応のほか、AR・電子書籍関係のアプリ制作などスマートフォン関連の業務が増えている。JAGATの調査でもアプリ制作実績がある企業は増加傾向にある。スマートフォンは紙・Webに続くビジネス機会として見逃せないだろう。
スマートフォンアプリ市場動向と販促活用事例(2013年9月10日開催クロスメディア研究会セミナー)
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)