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インターネットメディア総合研究所:2008年度電子書籍市場規模を発表

掲載日: 2009年07月13日

インプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は7月8日、2008年度の電子書籍市場規模を発表した。同調査は「通信事業者」「出版社」「取次」「ポータルサイト」「コンテンツプロバイダ」などへのヒアリングおよびケータイ向け電子書籍サイト運営者・電子書籍ユーザーへのアンケートなどの調査をまとめたもの。

調査結果によると、日本の2008年度の電子書籍市場規模は464億円と推計される。2007年度の355億円と比較して131%となり、2006年度から2007年度の195%と比較すると伸びは鈍化しているものの、順調に成長しているといえる。特に2006年度以降、市場を牽引しているのはケータイ向け電子書籍市場であり、2008年度は402億円と、電子書籍市場全体の86%を占めている。

ケータイ向け市場拡大の要因としては、昨年から引き続き、電子書籍に各出版社がコンテンツの電子化に対し積極的に取り組み始めたこと、取次サービスの整備による流通の円滑化、タイトル数増加によるコンテンツの充実などが考えられるという。
一方で、PC向け電子書籍市場は、2007年度の72億円から2008年度は62億円となり、対前年比86%と初めてマイナスに転じた。

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【電子書籍の市場規模の推移(億円)(2002年度~2008年度)】(インプレスR&Dリリースより)

2009年6月に行ったケータイインターネットユーザーへの電子書籍利用動向調査(有効回答数8022)では、ケータイ電子書籍利用率は32.7%。これは「無料のもののみ利用したことがある」24.6%と「購入したことがある」8.1%の合計で、有料電子書籍の利用率は、昨年の7.9%から0.2ポイントの増加にとどまっている。

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【ケータイインターネットユーザーの電子書籍利用率(億円)(2007年~2009年)】(インプレスR&Dリリースより)

ケータイ公式サイトで電子書籍を提供している事業者を対象にアンケートを実施した結果(有効回答46社)、iPhoneのApp Storeへの参入意向は、「参入したい、有料の電子書籍を販売したい」が28.3%で高いものの、「参入するつもりはない」も21.7%と事業者の考え方は大きく二分されている。また、App Storeだけでなく、Andoroid MarketやOvi Store(ノキア携帯専用アプリストア)などのようなモバイルアプリマーケットプレースへの興味に対しては、「参入したい」10.9%、「しばらく様子をみる」が52.2%で、「参入するつもりはない」という否定的な意見は6.5%にとどまっており、今後のプラットフォームの普及次第で市場に大きな影響を及ぼす可能性がある。

同社では、『電子書籍ビジネス調査報告書2009』『電子書籍コミックビジネス調査報告書2009』を発売する。

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