本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
■3つの仕切価格設定手法
まず、仕切価格の設定手法を整理します。大きく分けて以下の3通りの手法が考えられます。
1.標準作業ごとに、「標準作業時間」を調査し、目標時間単価(標準アワーコスト)を掛ける。
2.既存の料金表(自社あるいは積算資料)を基に設定する。
3.外注価格を基に設定する。
■効率的な手法とは
このうち、1の手法は従来JAGATが推奨してきた手法となります。これに比較し、2、3の手法はより効率的で簡便に仕切り価格を設定することができます。
2、3の手法では顧客への料金表、社内原価表、あるいは外注の発注価格表といった既存の単価表と自社の部門別の標準アワーコストを用いて仕切り価格を作成します。
既存の単価 ÷ 標準アワーコストによって得られる数値が、その工程価格に相当する作業時間となります。この値を目安(基準)にして標準作業時間を評価し設定していきます。
基準となる作業時間を計算で求めるので、全くのゼロから作業時間を測定・調査するのに比べ、大幅に手間が省けます。計算で得られた基準値を現場担当者や管理者が評価することで、より効率的に最終的な標準作業時間を設定意できます。また、根拠となる数値が料金表であるため営業にも分かりやすく、導入の際の抵抗や障害が低くなることが期待されます。
■効率的手法の留意点とは
しかしながら、留意点として料金表の枠で設定することになるため、それ以上細かい作業項目については、直接算出することが出来ず、上記の目安値から推察・想定することになります。
特にある程度のボリュームと工程を持つプリプレスなどにおいては、2の手法をベースにしながらも、一部1の手法(実際に作業を測定・調査する)も併用することになります。
また、料金表は営業マンの販売基準であり、実勢価格として現実の販売では値引きが常態化している場合、料金表から割り出された標準時間は、実態としてさらに短い時間を要求されることになります。一方で実勢価格から割り出された標準時間は、生産の実態から大きく掛け離れた数値になってしまう可能性もあります。
いずれにせよ実用に耐え得る妥当性を確保するためには、それなりの調整や修正を行う必要があります。
■基準作業時間を算出するExcelツール
JAGATでは、2の手法をより簡便に行えるツールを開発しました。MS-Excelを用いたもので、損益計算書の費用項目をベースに部門別の標準アワーコストが計算できるほか、各種条件を変更してシミュレーションを行うことも可能です。
本ツールを用いた個別セミナーやコンサルティングを随時行っています。
本ツールを利用した原価診断サービスのご案内
ツールの動画解説
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