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MySpace---コンテンツや商品ブランドがメディア化する時代

掲載日: 2009年07月23日

MySpaceは世界最大のSNSであい、エンターテインメント系に強みを持つ。

アーティストとファンを繋げるSNS

MySpaceは、登録ユーザー数が2億人以上、800万組を超えるアーティストやクリエイターなどがプロフィールを公開している世界最大のSNSである。同社CEO 大蘿氏によると、「アーティスト・クリエーターとファンがつながり合うエンターテインメント系のソーシャルメディア」というポジションがMySpaceの特徴であるという。もともとアメリカ版が音楽、エンターテインメントと人々を結びつけることから発展したこともあり、日本版でもその戦略で取り組んでいる。

アメリカでは、例えばアメコミのキャラクター映画がMySpace上にプロフィールを公開し、全世界で100万人フレンド(MySpaceの友人)を持っている。つまり映画で続編を出すときには登録しているユーザーに対してプロモーションをおこなうことができる。

また宝飾ブランドのカルティエでは、MySpace上でLOVEコレクションのキャンペーンをおこなった。MySpace上にページを作り、「LOVE」をテーマに映像クリエイター、音楽クリエイターに書き下ろしを作ってもらう。そういう映像、音楽が好きなターゲットを引き寄せるのが狙いである。

(参考) Jeweler Joins Its Friends on MySpace (NYTimes.com)

このキャンペーンでは音楽や映像を1つのフィルターにしながら、カルティエが持っている、自社ブランドに相応しい利用者像・顧客を作り出した。大蘿氏は、「これもある意味、顧客の資産化だが、フィルターのかけかたを、映像とか音楽を使っているというのがおもしろい。」と評価する。

最近では、街のカフェ、バーがプロフィールを持っているという。これらの場所では、リピーターを増やしたい、情報を提供したい、あるいはクリエイターに対しては場所を利用してほしいという要望を持っている。MySpace上で「うちのカフェを写真展やデザイン展に使ってほしい」、「スペースがあるので、アコースティックなら歌える」などの情報を公開し、それにアーティスト、クリエイターが応えることで、いろいろなコラボレーションやイベントが起きているのだという。

「自分自身がメディア化」の時代

大蘿氏は、「1つのトレンドとしては、いろいろな意味で、自分自身がメディア化するという時代になる。」という。もともと人やコンテンツや商品ブランドには、人を惹き付ける魅力がある。今までは流通を通じないとなかなか相手にアクセスできなかったが、ネットワーク、特にソーシャルメディアを利用することで、どんどん自分のファンを作ることができる。そしてネットワークを作ることができるということである。

そこで大事なのは質である。広く浅く1万人に知ってもらうよりは、「自分はこのブランドが好きだ、このアーティストが好きだ」というターゲット化された100人に対して発信することで、さらにいろいろな形で伝搬していく。

なぜ使うのか?

音楽や映像などのエンターテイメント分野に強みを持つのがMySpaceのもっとも大きな特徴である。この強みを活かしてミュージシャンがミュージックビデオ制作や楽曲制作を広く募集したり、最近ではMySpace上の音源をオンライン上で「CD」として販売する取組みも始めている。

(PAGE2009 C4セッションより一部抜粋・編集)

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