本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
欧米を中心としたデジタル印刷市場関連情報を紹介する
雑誌「ナショナル・グラフィック」は、コレクター向けに、オンデマンドで顧客個々人の要望に応じた表紙を印刷した雑誌「National Graphic Your Shot」を発行する。印刷はコンソリデイテット・グラフィックス社がHPインディゴ7000デジタル印刷機を使って行う。このサービスを望む読者は、自分が好きな高解像度の写真を選び、20ドルの追加料金を払う。本文は、同誌を印刷してきた印刷会社がオフ輪とグラビア印刷で行ない、カスタマイズしていない雑誌は従来通り店頭で売られる。
コンソリデイティッド・グラフィックス社は、昨年、北米とヨーロッパに36台のインディゴを導入して、同社のインディゴ設備は全部で50台になった。
FESPA(世界各国400社がメンバーになっている大判プリンターの協会)がメンバーを対象に行った調査によれば、大判プリンターを持っている印刷の14%の業者はすでに市場回復の兆しがあると報告している。今後の動向について、今年9月以降には事業が回復すると見ている業者が23%、25.6%が2010年初頭、約25%の業者は2010年の後半にならないと市場は回復しないとみている。そして、12%弱の業者は、現在の状況は2011年にまでもつれ込むと見ている。
ほぼ半分(41.3%)の回答者は、現在の状況の中で売上向上のためのプロモーションやアグレッシブルな価格戦略、その他の改善策をとっている。FESPAが今年5月にアムステルダムで行ったイベント「FESPA digital」には9682人の来場者があったが、2008年に比べて25%増加している。
(Graphic Communications World 2009年8月3日号)
環境対応に熱心なJames Byrme社は、ショートラン印刷の需要増に対応するために、ゼロッスiGen4をiGen3の後継機として導入した。印刷市場がオフセットからデジタルに急速に移行していることへの対応処置である。同社では、同社が扱うデジタル印刷の量は今後12ヶ月で30%増加すると見ている。それは、ショートランの仕事が急速に伸びているからである。また、厚紙印刷や非コーティト紙の分野の印刷能力を付けていくことも意識したものである。
iGen 4を選んだ理由には、現在のような不安定な時代においても、同社の特長である品質の高さを維持して、同社への発注を継続してもらうためである。また、iGen4の導入によって、350グラムのまでの厚紙やノンコーティト紙の印刷ができるので、顧客にとって魅力的な新しい提案をすることができるし、バリアブル印刷機能によってダイレクトメールやマーケティングの能力を上げることにもなる。
(PrintWeek 2009年 6月5日号)