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発光インク(RGB)をインクジェット出力した特殊プリントであるトリックプリントは、今後の印刷ビジネスのモデルの一つとして、参考にすべきテクノロジーであろう。
カラー印刷はCMYKインキによる減算混合と相場が決まっているが、もしもテレビのような自ら光を出すRGBインキがあったらまったく別の商品を生み出せる。そんな商品がTRICK PRINT である。
印刷は減算混合でカラー再現しており、常に照明光に依存していることは衆知のことだと思うが、このことが原因で色が安定しないとか、コントラストが足りないとか、文句を言われる原因にもなっている。その文句の上位に来るのが、インキジェットプリンタと合わないとか、最近ではモニタと色が合わないということもずいぶん聞くようになってきた。キンドルとまでは行かなくても、iPhoneで新聞や写真集を見ている人は益々この傾向が強まるかもしれない。かくゆう私も衆院選を契機に新聞をiPhoneで読む習慣が出来てしまいすっかり慣れてしまった。
常時光るインキは有機ELやエレクトリックインキ等、電荷をかけて発光させることになるのか?もしれないが、ブラックライト(紫外光)で光る発光(蛍光)インキは昔から開発されているが、それをCMYプロセスインキのようにRGB発光インキとして色再現に仕立てて商品化したものが、株式会社SO-KENがTRICK PRINTという商品名で開発したのである。
元々建材がらみでの開発なのだが、POP的な印刷物ではあっと驚くような効果を発揮できると思う。様々なアイディアを考えられるが、通常のCMYKインキに不可視のRGBインキを印刷しておいて、ブラックライトのON/OFFでまったく別の画像を浮き出させるという効果などは広告的には使える手である。白いウエディングドレスがお色直しで真っ赤に変身という具合である。
印刷のメインストリームが標準化やWeb to Printというコストダウン中心に集約する中、今や日本だけになってしまった感がある紙にこだわった印刷も含めて少しでも変わった印刷、人目を引く印刷というのは大事にしていきたい項目である。
テキスト&グラフィックス研究会ではこんあ印刷に注目してタイムリーに紹介していきたいと思っているが、9月17日のミーティングでは「トリックプリントで創出する広告・アートの世界」と題して技術、市場性、蛍光インキの基本的な知識等を懇切丁寧に解説、付加価値のある印刷について考えてみたいと思っている。
現在はインキジェットでの商品化だが、オフセット印刷インキでも開発が進行中らしい?
印刷の一つの柱として箔押などと含めて絶対にウォッチしていかねばならないアイテムである。
「トリックプリントで創出する広告・アートの世界 ---RGB発光インキが店頭広告を変える---」
2009年09月17日(木) 14:00-16:00
トリックプリントを使うことで、例えば店頭やショールーム、イベント会場におけるポスターやパンフレットなど、あらゆる印刷物において強い演出効果を得ることができる。印刷物として見ると付加価値の髙い製品であると同時に、低コストでエコを兼ね備えたサイネージであるとも言える。