JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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CADとCGの関係

掲載日: 2009年09月14日

CADとCGというのは元来同じテクノロジーを使っており、データの捉え方は同じである。

CADとCGというのは親戚のようなもので、もともと同じテクノロジーを使っている。データの捉え方は同じなので、CADデータがあるなら、そのデータをCGのほうに持ってきて、計算すれば絵ができる。
つまり、「このデータフローでコンテンツを作るビジネスを始めれば鬼に金棒ですよ」というのが、ビジュアライゼーションビジネスを手がけるパーチの長尾健作氏とJAGATがCGビジネスを奨める根拠となっている。

具体的なワークフロー

Autodesk Direct Connect というデータ変換のテクノロジーを使うと、CADデータをMaya やMax といったCGソフトにデータを持ち込むことができる。印刷業界ではIllustratorを毎日のように使っていると思うが、そのベクトルデータをラスタライズする作業が、CGで言うところのレンダリング工程に当たる。DTP的に表現すればラスタライズ、いわゆるRIP処理ということである。

CADシステムをIllustratorと考えれば印刷業界には理解しやすいはずである。IllustratorのベクトルデータをPhotoshopのようなペイントソフトで読める中間フォーマットであるEPSに変えてから別ソフトや別工程に持っていくことがあると思う。CADからCGに持ってくる中間フォーマットも同様で、FBXというものが一般的である。FBXは汎用性、拡張性のあるフォーマットである。

中間フォーマットに変換するソフトもいろいろある。例えばShowcaseは非常に多くのCADツールデータを取り込むことができ、なおかつFBXで出せるので、これを一つかませればワークフローがスムーズになる。

最終的にMayaとMaxではレンダリングという非常に重いラスタライズ作業を行って画像を作るのだが、現在、レンダリングするツールとしては、Mental rayというレンダリングエンジンが市場で認知されて使われている。V-Rayも非常に人気があるレンダリングソフトである。

そして最後はCombustionとかCleanerでエンコードしたりコンポジットしたりして、最終的な作業完了という形になるが、もちろんこれはPhotoshopでもよいわけである。以上が製造系のフローである。

印刷・製版業界でのCGビジネスの現状

このようなワークフローを実践している印刷会社は、関西を中心に地元密着型としてクライアントと強く結び付いているところが多い。また東京に本社を置く大企業の中には、メーカー中心に印刷会社を含んだ制作グループを構築しCG制作しており、建設、化粧品、建材、日用品などにこのような例が見られる。

以上が印刷物を中心にCGコンテンツまでカバーしている例だが、製版会社(印刷会社もある)がCGコンテンツ制作だけをビジネスにしている例も少なくない。パチンコやゲームといった本当に動画中心のコンテンツである。CG部門の営業成績が印刷(製版)部門に比べて良い会社が多く(単一会社ではバランスが難しい?)、印刷会社のCGを中心にして印刷ビジネスの拡大を図るというものとは一線を画している。

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