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[若手印刷人リレーエッセイ] 経営理念が「本業をベースとした絶えざる技術革新」となっているので、一層前向きに取り組み何らかの開発結果を出していきたい。
私どもの会社は、私の祖父が1946年に設立し印刷用ゴムロールの製造・販売を主軸としてスタートして今日に至り、今年で63年になりました。現在は、父から兄へと社長職が引き継がれて3代目となっております。
さて、“ゴムロール”というものは、一般的には「何?」と思われることが多く辞書などで調べてみましても“ゴム”と“ロール”はもちろん載っておりますが、“ゴムロール”はありません。友人や初対面の人に説明する場合などは苦慮することが多々あります。
このように地味な存在のゴムロールですが、印刷(オフセット・グラビア・フレキソなど)を始め工業用と言われるフィルム・鉄鋼・製紙・繊維などの生産においては大事な役割を担っておりまして、知っている人は知っているある意味特殊な製品なのです。
近代的な意味での印刷は、活版印刷から始まり現在に至るまで、さまざまな用途に応じての多様化または変化がありました。
それに伴いゴムロールも水なし印刷・UV印刷・枚葉印刷・輪転印刷・グラビア印刷・フレキソ印刷およびエコインキなどに対応するためゴム材質もすべて違い多種多様に歴史的とも言える進化を遂げているのです。
しかし、印刷におけるエコ化は、紙・インキなどでさまざまな技術開発が進み製品化もされておりますが、エコインキなどに対応するゴムロールはあるもののゴムロール自体のエコ化は大変難しく課題として残されております。
あるユーザー様のお言葉で「ゴムロールの究極のエコは、印刷機と同様の耐久性を備えることだね」と頂いたことがあります。
弊社の経営理念が「本業をベースとした絶えざる技術革新」となっておりますので、より一層前向きに取り組み何らかの開発結果を出していきたいと思っております。
ところで、私ごとではありますが、印刷物の代表としての新聞や特に本は私も妻も読書好きということもあって生活必需品となっております。
電子媒体では得られない楽しみがあり「もっともっと多くの人々が本を読めばよいのに」と勝手に思っております。特に小さいころから本を読むことで情緒が豊かになり、想像力が養われ、人・物・生き物全般に対する優しさがはぐくまれ昨今のまがまがしい事件が減るのではないだろうかと思うのですが…。
先日、社員と話をしている中で、「忙しくて本を読む時間がない」と言い訳めいたことを言うので「じゃあ昼食や夕食を抜いたら?」「お風呂に入るのをやめたら?」などと意地悪な問い掛けをしてみました。本を読むのにまとまった時間なんて要らない。朝・昼・夜と少しの時間がある時に読めば楽しくなってくるものだと話し、読書を勧めました。
私自身人生の中で「本」に学ぶことが多く大変役立っております。
この「100年に一度」と言われる世界経済情勢が大変厳しい今年は、世界全体で1.4%程度のマイナス成長で日・米・欧に限って言えば大幅マイナスとなり当然のように印刷業界も関連業界も連鎖し、さらに電子化に伴う印刷物の減少も重なって将来のマーケットが小さくなると言われ、経営環境はますます厳しくなり、会社が生き残るのにも大変な努力が必要となってきております。
私どもの会社においても今年は丑年ということもあり「牛の歩みも千里」という言葉を肝に銘じ、会社として今は耐える我慢の時で同時に人材・技術・生産などを見直し再チャレンジ・新開発する絶好のチャンスとして努力し続け印刷業界に貢献していきたいと考えております。
またこれまでも大変お世話になりともに成長してきました印刷業界の今後の発展のためにも「一人の百歩より百人の一歩前進」の精神で業界関係者の方々と力を合わせ決して焦らず努力していきたいと思っています。
坪井 俊介(つぼい・しゅんすけ)。1962年5月23日生まれ、東京都大田区出身、國学院大学卒。1984年明和ゴム工業入社、2003年専務取締役に就任、現在に至る。趣味はゴルフほかスポーツ・読書・旅行・歴史。
明和ゴム工業株式会社
1946年設立。業務内容は各種印刷用ゴムロール、各種工業用ゴムロール、印刷用製版材料、その他各種ロールの生産販売。従業員数330人(2008年4月現在)。
〒146-0092 東京都大田区下丸子2-27-20
TEL 03-3759-4621(代)FAX 03-3756-2773
『JAGAT info』2009年8月号