本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
各国の状況を紹介するレポートでは、欧米で広がる「印刷物へのネガティブ・キャンペーン」への反撃に関するものや、中国の印刷業界は2008年も8%で成長、タイの印刷業界の製品別出荷額で70%がパッケージであるといった興味深い内容が紹介された。
去る10月5日~7日の3日間、FAGAT(Forum of Asia-Pacific Graphic Arts Technology :アジア・パシフィック印刷技術フォーラム)が開催された。
FAGATは、東南アジア・太平洋地域の印刷業界の相互交流を目的に、1996年に発足したもので、参加各国は、2009年時点で、日本、韓国、中国、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、オーストラリア、スリランカの9カ国である。第1回FAGATはJAGATがホストとなって東京で開催、その後メンバー国が交互にホストを務めて各国業界のトップが集まって情報交換するイベントとしてほぼ毎年1回行ってきた。
今回のFAGATには、シンガポール、マレーシアを除く7カ国での開催となった。
初日は総会で、FAGATの運営等を話し合い、FAGATメンバーとしての日本代表機関がJAGATから日本印刷産業連合会になることが了承された。
2日目は「カントリーレポート」として、各国からそれぞれの国の印刷産業や印刷市場の状況、あるいは課題についての報告が行われた。日本からは、日本印刷産業連合会会長山口政廣 氏が「日本の印刷産業の現状とアジアの印刷産業への貢献」と題する基調講演を行い、100名を超える参加者が集まった。
3日目は、ふたつの分科会を開催した。ひとつは印刷の色差を⊿E3以内に納めるJPA開発「QC鳥瞰図」について紹介しディスカッションした。もうひとつのテーマは「環境問題対応の具体的アプローチ」で、日本印刷産業連合会から「グリーンガイド」、オーストラリアからは同国印刷組合が開発した中小印刷企業向けの「ISO14000 取得プログラム」および「印刷物に対するネガティブ・キャンペーンへの反論」が紹介され、それらをアジア・パシフィック地域の印刷業界で共有することが話し合われた。
7日の夜は、「さよならパーティー」で、東京湾周遊クルーザー「シンフォニー」の船上で、東京湾の夜景を楽しみながら行われ、今回のFAGATの全日程を終了した。