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筆記試験と実技課題を合わせた最終合格者は333名(合格率48.5%)。
全受験者数は687人、筆記試験の合格者数は397人、課題の合格者数は440人。筆記試験と実技課題を合わせた最終合格者は333人で、合格率は48.5%でした。実技課題の内訳は以下の通りです。
実技課題の内訳は以下の通りです。
選択課題 | 提出者 | 合格者 | 合格率 |
A. ページ物 | 66名 | 53名 | 80.3% |
B. チラシ | 524名 | 387名 | 73.9% |
※実技課題を提出しなかった受験者97人中12人は筆記試験に合格しています。
第33期試験は、課題を提出する際に作品と制作指示書をPDFファイルとし、インターネット経由でアップロードする手順で行われた二回目の試験となりました。提出にあたり、大きな混乱はありませんでした。受験者が所属している企業のネットワークにおけるセキュリティ設定の高い会社ではインターネット上へのファイルアップロード許可されていないため、メディアによる提出で対応しました。本試験でのインターネットを利用した課題提出手順の意図は、社内のネットワークを利用した入稿に留まらず、外部の無線LANスポットを利用してでも納期を守るために入稿することが、DTPでは特別なことでなくなっていることを考慮していることをご理解ください。
また、「テキスト部分を直して課題作成している」という作品が数点見受けられましたが、前後の内容からより適した意味の文章だと思っても、入稿テキストを勝手に変更するということは、原則的にやってはいけないことであるという認識をお持ちください。
ただし、作品・制作指示書において、支給されたデータではなく明らかに過去のデータを使用したと判断されたり、作品のサイズが誤っている課題については、条件違反で不合格になりました。
制作指示書の意図をよく理解されていない課題が見受けられました。制作指示書は、提出した作品のみの制作指示ではなく、シリーズ化を通じて第三者が制作するために必要なレイアウトや紙面設計、パーツ要素の記述が必要となります。これらのことは「課題の手引き」に記載されていることなので、意図を十分に理解してください。さらに具体的な評価基準を下記に示します。
・設計
レイアウトは単なるパーツの配置ではありません。シリーズ化、テキストデータの増減、標準化、効率化などを考慮した上で、設計者がどの部分を強調して各要素を配置するかという紙面設計が大切です。
また、制作指示書において、数値による各パーツの座標指示だけではなく、紙面構成の方針が理解しやすい基本フォーマット(課題A)、レイアウト設計図(課題B)は、制作過程が分かる重要なものとなりますので、必ず図示してください。
・要素・表現
受注内容や仕様において、クライアント名やサイズ、色数などの基本項目は正確な記述が必要です。また、制作指示書の要素として減点の対象になったものは、各パーツについての組版指示や、パーツ配置についての記述が不足しているものでした。今一度、第三者が継承して制作するという立場を考慮した制作指示書づくりが必要です。
また、目次の記述がないものやレイアウト指定に小数点3桁(mm)の数値を記述するなど、不適切な指示は減点や不合格の対象になります。
最後に
課題制作における想定や制作・提出条件をはじめ、配布するデータは毎回変更しています。必ず該当する課題制作の手引きと課題データを使用して、作品はもちろん制作指示書の記述にも間違いがないよう取り組んでください。
(DTPエキスパート認証試験合否判定委員会)