本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
JAGATでは11月12日、「無料トークイベント~新生メディアマーケティング」が開催されました。これは12月2日に開催される「クロスメディアセミナー2009 冬」のプレイベントとしておこなわれたもので、竹田茂氏(スタイル)、田村明史氏(キャラアニ)、小笠原治(JAGAT)の3人が、これまでのメディアビジネス/あるべきコミュニケーションデザイン などについておおいに語りました。
なぜこんなアングルかというと定点カメラで撮っていたから。
「かつてのフロッピー出版、CD-ROM出版は単にコンテンツを別媒体に移しているだけで新たな流通モデルがなかった。」(田村)
これはアスキー、インプレスでご活躍されていていた田村さんが、過去の電子出版について振り返った言葉。紙のコンテンツをそのまま電子メディアに移しただけのモデルでは、流通の仕方が従来と変わらなかったため、インターネットが出てきた途端壊れてしまったとコメント。
「重要なことは「網」をどうやって編集していくのかという発想。」(竹田)
ここでいう「網」とは、地上波やIP、マルチメディア放送はもちろん、書籍の委託販売などの物流網など。さきほどの例でいえば、フロッピー出版やCD-ROM出版のときには新たな「網」がうまく編集できなかった、と言い換えることができそうです。
「あるネットベンチャーの社長が新聞記事に取り上げられたとよろこんでいる。これは新聞=全国に届く網(ネットワーク)だと信頼しているため。」、というのは竹田さんのコメント。つまりコンテンツに対してではなく網に対する信頼。
次のトピックは、メーカーをはじめとした企業サイトの訪問者数が減少傾向にあることについて。
田村さんは、この流れはamazonやカカクコムの成長が影響していると指摘。「今までは商品をブランドで選んでいたのが価格や性能が横並びになってきて、ユーザーはまず比較サイト等で情報収集したのち、たまにメーカーサイトに確認する程度になっている。これは数年間で顕著になってきたことでブランドが崩れてきた。」とコメント。
ほかにも次々と話題が飛び出し、日経ジュエリーの事例(宝飾店向け専門誌。部数は9000部程度だが、ほぼ全ての宝飾点が購読しておりプラットフォーム化している。おおきさではなくシェアが大事、というハナシ)や、情報の価値に関する話題など、メディアの話にはじまり、EC、ブランド、最後にはデジタルサイネージやセマンティックWebにまで話題が及んだ90分でした。
今回のイベントを受けた本イベントとなる12月2日「クロスメディアセミナー2009 冬」では、竹田氏をはじめとして講師の方からクロスメデディア、メディアマーケティング等についてお話いただきます。どうぞご期待ください。