JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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世界のデジタル印刷事情:2008年10月

掲載日: 2008年10月31日

欧米を中心としたデジタル印刷市場関連情報を紹介する。

ラベル・エキスポ最大の話題はデジタル印刷体験パビリオン

2008年9月9日~11日に、米国シカゴでラベル・エキスポ・アメリカ2008が開催された。420社が出展し来場者数は12,223名であった。来場者数は昨年の13,200より若干減った。今回の展示会で最も大きな話題になったのはデジタル印刷体験パビリオンで、デジタル印刷機、プリプレス・ソフトウエア、製版機器、後加工機の新製品のデモが行なわれた。

EFI Jetrionは4000UVインキジェットを展示した。HPインディゴはws6000デジタルオフセット印刷機を北米市場で初公開した。ザイコンは、ドルッパで初公開した同社の新製品3300デジタルラベル印刷機を展示した。教育セッションでは新しいデジタル印刷技術、フレキソパッケージ、環境対応そしてブランド・ブロテクションに焦点が当てられた。
(グラフィッック・コミュニケーション・ワールド2008年10月6日号)

導入が始まったiGen4

ゼロックスは、9月27日~10月12日までシカゴで開催されたWIREDNextFestにおいて、レーザープリンタに比べて90%も無駄を排除できる固形インキ技術等の新技術を紹介した。また、同社の新製品であるiGen4が、ノースカロライナ州のkeiger Printing Companyに北米で始めて導入されたと発表した。iGen4デジタルカラー印刷機は分速110枚での印刷が可能になり、iGen3に比べて25%~30%高い生産性を実現している。英国では、Advantage Digital Print が同国初のiGen4を導入した。
(グラフィッック・コミュニケーション・ワールド2008年10月6日号)

インキジェット用用紙のリサイクル研究グループ設立

ヒューレット・パッカード、インフォ・プリント・ソリューション、コダック・グラフィック・コミュニケーション・グループそしてオセは、Digital print De-inking Alliance(DPDA)を立ち上げた。この協議会はインキジェット用紙のリサイクルに関する研究を支援するためのものである。加盟各社の技術分野代表者が定期的に会合を開き、活動の目的、必要な研究のスコープについて話し合う。
(グラフィッック・コミュニケーション・ワールド2008年9月15日号)

小規模出版社に朗報

数百もある小規模出版社は、Perseus Book Groupが提供することになった技術によってデジタル書籍製作をより容易にできるようになった。「Constelation」と呼ばれる新しいサービスは、ランダムハウスのような大手出版社しか手が出せなかったプリント・オン・デマンド、エレクトロニック・リーダーなどのデジタル技術を、小規模出版社でも使えるように安価に提供するものである。このサービスは、出版界におけるオンデマンド印刷を含む多様な媒体を使った出版を後押しすることになる。
(グラフィッック・コミュニケーション・ワールド2008年9月15日号)

リコー、IKON Office Solutions を買収

リコーは、オフィース設備の販売、リースを手掛けてきたIKON Office Solutions を16.2億ドルで買収することになった。この買収にはIKONの印刷のファシリティーマネージメントも含まれる。
IKONは、北米と西ヨーロッパで400強の拠点を持ち、従業員数は24,000人を擁しているが、経済環境悪化の中で苦しみ、2005年には北米地区の5100人の従業員を整理し、2008年初めにも数百人の人員カットをした。今回の身売りはそのような経緯を踏まえてのことだが、IKONの販売、サービス力とリコーのエンジニアリング力、生産能力を合わせることで、リコーの国際的なビジネスを拡大することになる。この買収が発表されたあとRicohの株価は2.9%上昇した。
(グラフィッック・コミュニケーション・ワールド2008年9月1日号)

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