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商業・出版用オフ輪は2年連続で減少

掲載日: 2010年02月17日

印刷界OUTLOOK2009【オフ輪】

商業・出版用オフ輪は2 年連続減少

日本印刷新聞社『日本のオフ輪 2010』によると、2009 年の全国の中小印刷会社で稼働する商業・出版用オフ輪の設置事業所数は418 事業所、設置台数は1289 台となっている(新聞用オフ輪は80 事業所、304 台)。申告調査なので網羅的なデータではないが、10 年以上続く印刷業界の供給力動向を推定する有用な資料である。

商業・出版用オフ輪は、1997 年の1368 台が1999 年に1469 台まで増えたが、2002 年には1276 台まで減少、その後2007 年の1402 台まで5 年連続で増加したものの、2009 年の1289 台まで2 年連続で減少している。なお、1289 台とは2002 年、2003 年と同程度で、6 ~ 7 年前の水準に戻ったことになる。

設置の多い上位は埼玉288 台、大阪127 台、愛知86 台であり、少ないのは山梨1 台、富山、和歌山、長崎の各2 台となっていて、都道府県別の偏りは大きい。

色版別では表4 色×裏4 色が1056 台で全体の82.6%と圧倒的だ。また、版サイズではB2 縦が63.8%で、A1 横が16.2%、B3 縦が8.6%で続き、全体としてはB 系列が77.0%と優位になっている。

連続用紙でない紙の印刷に対応するシーター付きの比率は調査開始の2004 年から着実に比率を高め、2009年は32.7%にまで高まっているという。

主力印刷機械の生産台数が減少

経済産業省「平成20 年機械統計年報」によると、2008 年の印刷機械の生産台数は3 万2002 台で、前年から6116 台もの大幅減少になった。

オフセット印刷の主力となる枚葉式印刷機が2076台から1820 台に減った上、近年の印刷機市場をけん引してきた産業用デジタル印刷機が3 万3461台から2 万7743 台へと大きく落ち込んでいる。

前項で見たようにオフ輪機の稼働台数も減っており、枚葉機、オフ輪機、デジタル印刷機が揃って減り、景気後退に合わせて生産調整の進んでいる様子がうかがわれる。

製版機械は前年よりわずか24 台の増加で5554台になっているものの、製本機械は約20%もの減少で2 万819 台になり、紙工機械も約15%の減少で429 台になっている。

ちなみに印刷の主力となる枚葉機の1 台当たり平均価格を割り出すと、この5 年は6600 ~ 6900万円台で経年推移している。

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(「JAGAT info」2009年12月号)

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