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業界初の「通販エキスパート検定」を5月に実施(その1) ~通販の専門知識やノウハウを総合的にチェック~

掲載日: 2010年03月04日

今年5月よりスタートする通販エキスパート検定についてインタビュー。

1883_01.jpg通販業界では初めてとなる「通販エキスパート検定」が、5月30日に行われることになりました。主催は一般社団法人通販エキスパート協会 (事務局・東京都千代田区、電話:03-3265-2783)で、2月19日に朝日新聞出版から公式テキストを発行。今年度は初級レベルの「3級」を実施し、来年度からはさらに中級レベルの「2級」も導入していくそうです。同協会の渡辺友絵代表理事に、検定試験の目的や内容などを尋ねてみました。

――業界初の「通販」検定が始まるわけですが、今までなかったのが不思議なくらいですね。まずは立ち上げの背景からうかがえますか。

渡辺  通販という業態では、一般的な小売業とは異なる専門的な知識やノウハウ求められます。ただ、これまでは通販に特化して総合的に学ぶ場やツールといったものがありませんでした。通販業界は2008年度の市場規模が前年比6.7%増の4兆1400億円と増加し、10年連続右肩上がりで成長しています。伸び盛りの成長市場だけに、業界に身を置く方はより一層専門的知識の取得が必要となります。また、インターネットの台頭によってEコマースに参入する方たちも増えていますが、まずは通販の基本的知識や関連法律などを理解したうえで業務に携わったほうがよいと感じていました。そのような考えから、検定試験を通じて通販業界全体を底上げできるのではないか――と着手しました。

――通販の専門的知識というのは、たとえばどのようなことでしょうか。

渡辺  ご存知のように通販は非対面販売のため、さまざまな施策やサポート態勢が不可欠です。手に取れなくても購入してもらえる商品の開発から始まり、カタログやテレビ、ネットなど売り場である媒体戦略、クリエイティブ、コールセンターでの顧客対応、倉庫や配送といったバックヤード施策、継続顧客創出のための双方向対応やCRMまで、一般の小売業とは違った仕組みを理解しておかなくてはなりません。また、昨年から消費者庁が発足したこともあり、通販を規制する特別な法律知識を身に付けることも大変重要です。

――受検者の対象はどのような人を想定していますか。

渡辺  基本的には受検のための要件や資格というものはありません。通販企業ですと新入社員から入社後3~5年の方が目安となります。通常、入社後2~3年は初めに配属された部署で業務に携わりますが、通販企業の部署は総務や経営企画といった管理部門をはじめ商品開発、媒体制作、物流、受注などさまざまです。そのためどうしても自分が携わっている部署の業務だけしか理解しにくいのですが、通販は入口から出口まで一貫性があるビジネスですので、そのスキームの流れを総合的に学んで欲しいと思います。

――Eコマースに携わる方たちはいかがでしょう。

渡辺  もちろん、Eコマースの実務者や参入を考えている方たちも対象です。最近は『楽天市場』だけでも3万店舗というように競争が激化したことから、ネットという単体メディアだけで売り上げを伸ばしていくのは困難となりました。そのため、紙媒体やテレビなども使ったクロスメディアが注目されています。そういった意味では、Eコマースだけでなく、他メディアも利用する通販全体の知識やノウハウを学んでいただきたいですね。

――印刷会社の方などにも役立ちますか。

渡辺  はい。ネットが台頭してきたとはいえ、通販企業はまだまだ紙媒体を活用しています。従って通販企業は印刷会社さんの重要なクライアントだと思いますが、ネットなど他媒体とのクロスメディア施策を含めてアプローチをしていくためには、通販業界全体の仕組みや動向を知識として蓄えておきたいです。断片的な知識しか持ち合わせていない通販企業の方もいるため、検定試験に向けて学んだ知識をもとに、印刷会社側から提案していく形にしてもよいですね。また、印刷会社の方は紙媒体の制作にも関わるケースが多いでしょうが、最近は広告表示に関して法律が大変厳しくなっていることもあり、カタログやチラシを制作するうえでのコンプライアンス知識もしっかりと学んでいただきたいと思います。

――そのほかの対象はどうでしょう。

渡辺  印刷会社と同じ意味で、受注を手がけるテレマーケティング事業者や物流、配送など通販企業の周辺企業さんにも役立つはずです。さらに社会環境が厳しくなっているので、就職活動を有利に運ぶツールの1つとして学生さんなどにもお勧めします。

(その2 に続く)

検定名 第1回 通販エキスパート検定
主催 一般社団法人通販エキスパート協会
後援 社団法人日本印刷技術協会
協賛企業 株式会社ユーキャン、共同印刷株式会社
協力 株式会社朝日新聞出版
企画協力・運営 日本出版販売株式会社
実施エリア 東京
実施日 2010年5月30日(日)
申込締切 2010年4月27日(火)
受検資格 どなたでも受検できます。年齢・性別等の制限はございません。
受検級/受検料 3級個人/4,500円(税込)  3級団体/4,000円(税込) ※団体は10人以上から受付(東京以外でも対応)
問題形式 マークシート形式(択一方式) 100問100点満点
合格基準 全100問中70問以上正答者は合格
問題集について 『通販エキスパート検定3級公式テキスト』
2,415円(税込)/発売日:2010年2月19日(予定)/
朝日新聞出版刊/監修:通販エキスパート協会
その他 出題内容、問題集・テキストの情報、申込方法、実施エリアの追加等の詳細は、「協会公式サイト」、または「検定、受け付けてます 」にて随時発表いたします。
※案内パンフレットはこちら

 

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