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総広告費は約5兆円、うち印刷メディアは半分弱か

掲載日: 2010年06月05日

印刷界OUTLOOK2010【広告費】

総広告費は5兆9222億円、前年比11.5%減

電通『2009年日本の広告費』によると、2009年国内の総広告費は5兆9222億円で、2008年より7704億円の大幅減少になった。2007年に7兆191億円だった広告市場は、2年間で1兆円以上縮小して6兆円台を割り込んだ。一連の金融危機に端を発した大型の景気後退による影響を受け、企業の広告費支出が大幅に抑制された影響である。

マスコミ4媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)は5年連続の減少で、2009年はとりわけ新聞(前年比18.6%減)と雑誌(同25.6%減)が大きく減少した。テレビは前年比10.2%減と低下幅は小さいが、規模が大きいだけに減少幅が大きく(同1953億円減)、広告費全体の動向に大きな影響を与えている。

いよいよインターネット(7069億円)が新聞(6739億円)を抜き、テレビに次ぐ第2の広告媒体になった。短期的な将来の逆転が見込まれてはいたものの、不景気の長期化は各社に従来の広告費支出構造の見直しを迫る形になり、メディア変革期の到来を数年分早めたように思われる。

不況の中で健闘したのはDMとPOP

プロモーションメディア広告費も2年連続で減少した。総額2兆3162億円で2008年より3110億円減り、内訳のすべてが2008年より減少した。

広告費の大きい順に、折込(5444億円)、DM(4198億円)、屋外(3218億円)、フリーペーパー・フリーマガジン(2881億円)、展示・映像他(2775億円)、交通(2045億円)と続き、ここまでが2000億円規模以上である。以下、POP(1837億円)、電話帳(764億円)と続く。比較的堅調だったのはPOP(前年比0.8%減)とDM(同5.2%減)で、落ち込みが大きかったのはフリーペーパー・フリーマガジン(同18.7%減)と交通(同18.0%減)だった。

広告メディアに占める印刷メディアは半分弱?

総広告費に占めるマスコミ4媒体の割合は2000年には65.0%を占めていたが、2009年は47.8%と50%を下回っている。

広告費に占める印刷メディアのシェアは、新聞(11.4%)、雑誌(5.1%)、折込(9.2%)、DM(7.1%)、フリーペーパー・フリーマガジン(4.9%)、電話帳(1.3%)の合計38.9%であり、2008年より2.0ポイント低下した。

ほかに屋外(5.4%)や交通(3.4%)、POP(3.1%)における印刷メディアを半分と見てカウントすると、広告媒体に占める印刷メディアの割合は総広告費の半分弱と見ることができそうだ。

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(「JAGAT info」2010年5月号)

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